2010 Fiscal Year Annual Research Report
減黄過程中のδビリルビン濃度の推移とアルブミン半減期および機能肝細胞総量との関連
Project/Area Number |
20390352
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
今村 宏 順天堂大学, 医学部, 准教授 (00283268)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青木 琢 東京大学, 医学部, 講師 (30302722)
百瀬 敏光 東京大学, 医学部, 准教授 (20219992)
石崎 陽一 順天堂大学, 医学部, 准教授 (20260490)
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Keywords | 閉塞性黄疸 / 減黄 / デルタビリルビン / アンチピリンクリアランス / アミノピリンクリアランス / プレアルブミン / ヘパプラスチンテスト / 胆管炎 |
Research Abstract |
本年度は、症例の背景因子が減黄処置後の減黄効率(δおよび非δ-ビリルビンの半減期を指標とした)に与える影響(検討1)、また減黄効率の良不良の減黄後の肝機能の回復(減黄後7日目)に与える影響(検討2)、について検討した。検討1:検討した因子は年齢、性別、担癌症例か否か、黄疸発症から減黄までの期間、片葉ドレナージか否か、胆汁の腸肝循環があるか否か(減黄が外瘻かそうでないか)、減黄中の胆管炎の有無である。多変量解析ではδ-ビルルビンに影響を与える因子は片葉ドレナージか否か(p=0.11)であり、非δ-ビルルビンに影響を与える因子は胆汁の腸肝循環があるかないか(p=0.023)、減黄中の胆管炎の有無(p=0.099)であった。検討2:δおよび非δ-ビリルビンの半減期と減黄後7日目の肝機能の指標との相関は以下の通りであった。δ-ビリルビン:アンチピリンクリアランス(ANT Cl ; -0.48)、アミノピリンクリアランス(AMP CI ; -0.56)、血中胆汁酸濃度(BA ; 0.25)、プレアルブミン濃度(PA ; -0.14)、ヘパプラスチンテスト(HPT ; -0.27)、HH15(アシアロシンチの指標、0.35)、LHL15(同左、-0.19)。非δ-ビリルビン: ANT Cl(-0.32)、AMP Cl(-0.45)、BA(-0.09)、PA(-0.09)、HPT(-0.33)、HH15(0.10)、LHL15(-0.08)。【結論】減黄効率特に非δ-ビリルビンのそれは、減黄中の胆管炎や胆汁外瘻状態によって低下する。また減黄の良好な症例は減黄後の肝機能の回復も良好である。
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