2008 Fiscal Year Annual Research Report
肝転移腫瘍に対する腫瘍溶解性ウイルスの血管内投与法の開発
Project/Area Number |
20390354
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
中尾 昭公 Nagoya University, 大学院・医学系研究科, 教授 (70167542)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
粕谷 英樹 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (00402636)
竹田 伸 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (20314015)
杉本 博行 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (20437007)
野本 周嗣 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (40300967)
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Keywords | 癌 / ウイルス / 転移性肝癌 / 腫瘍溶解性ウイルス / HF10 |
Research Abstract |
腫瘍溶解性ウイルスの血液中でのデリバリーシステムを開発するため最適なリピオドールのミセル化を探るため以下の検討を行った。 血液中のヘルペス抗体価がウイルス活性に与える影響の検討: HSV変異型腫瘍溶解性ウイルスが血液と混じった時に受ける影響について実際の患者の少量血液を使用してヘルペスウイルス抗体高陽性者、低陽性者で血液混入時のウイルス感染力の低下に与える影響についてin vitroで検討した。MTT assayおよびウイルスreplication assayにてウイルスは37度1時間の抗体陽性者の血液との暴露で不活化されたがリポソームで埋包したウイルスは抗体陽性者の血液中でも不活化されなかった。この実験結果はウイルス感作マウスと非感作マウスを使用した実験でも同様の結果であった。このことは実際の血管内投与におけるウイルスの安全性と有効性に直接関連するデータであると考えられる。またリポソームで埋包したウイルスは血管内投与でもヘルペス抗体IgGの上昇は低い傾向が認められた。 リピオドールとウイルスの最適濃度の検討: リピオドールとウイルスを埋包したときの粒子構造について電子顕微鏡を使用して検討し最適な濃度の検討を行っている。ウイルスをリポソームで埋包する技術を当科は既に確立しているがリピオドールとのミセル化について電子顕微鏡像での構造からエマルジョンが最適なミセル化となるような溶液濃度と作製方法を検討している。現在物理的な撹拌による時間と粒子の大きさ、感染力化に与える影響、安定度から最適な方法を探っている。
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Research Products
(3 results)