2008 Fiscal Year Annual Research Report
生物学的特性に基づいた多経路制御による膵癌治療の基盤的研究
Project/Area Number |
20390355
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
土井 隆一郎 Kyoto University, 医学研究科, 講師 (20301236)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川口 義弥 京都大学, 医学研究科, 助教 (60359792)
増井 俊彦 京都大学, 医学研究科, 助教 (20452352)
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Keywords | 消化器癌 / アポトーシス / サバイビン / トレイル |
Research Abstract |
膵癌のアポトーシス回避機構の修飾により、TRAIL経路による癌細胞死を誘導する戦略を開発することを目的に研究を行った。(1)培養細胞系、(2)動物実験系、(3)膵癌手術切除標本を材料とした研究に大別し、TRAILシグナル経路の修飾による膵癌治療実験、腫瘍溶解性制限増殖型単純ヘルペスウイルス(HSV-1)ベクター開発実験に分けて行った。TRAILシグナル経路の修飾を種々の方法で検討し、TRAILによる膵癌のアポトーシスを効率的に誘導する方法を検討した。また、癌にだけ発現するsurvivin promoter存在下で腫瘍細胞溶解をひき起こすHSV-1ベクターを開発し、単独ならびに従来治療との併用につき検討した。膵癌培養細胞は継代されており、この膵癌細胞ならびに京都大学動物実験施設で飼育している膵癌担癌マウスを用いて研究を行った。教室で行っている年間50件の通常型膵癌の切除手術から得た切除標本から得た膵癌組織膵を用いた。これらの材料を持用いて、(1)膵癌細胞株のTRAIL感受性評価とTRAIL受容体発現、(2)TRAIL感受性とアポトーシス関連蛋白発現、(3)TRAIL抵抗性細胞における蛋白合成阻害剤cycloheximideのTRAIL感受性増強効果、(4)FLIP-S,XIAP発現抑制によるTRAIL感受性増強効果、(5)EmbelinによるTRAIL感受性増感作用、(6)TRAIL抵抗性におけるPI3K/Aktの評価、(7)制限増殖型HSV-1ベクターの作成、(8)膵癌細胞株と放射線耐性膵癌細胞株におけるsurvivin promoter活性定量、(9)制限増殖型HSV-1によるICP4蛋白合成の検討、(10)制限増殖型HSV-1によるLacZ発現検討、などを実施した。
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