2008 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトES細胞の機能的肝細胞への分化誘導法の確立とその再生医療への応用
Project/Area Number |
20390358
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
小林 直哉 Okayama University, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (10325102)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小出 典男 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 教授 (20142333)
池田 正徳 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 准教授 (30315767)
大原 信哉 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 講師 (90325100)
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Keywords | ヒトES細胞 / 細胞・組織 / 再生医学 / 移植・再生医療 / バイオテクノロジー / 国際情報交換 / アメリカ:中国:イギリス |
Research Abstract |
ヒト胚性幹細胞(ES細胞)から機能的肝細胞を分化誘導する手法を開発し、当該肝細胞を用いて、in vitroで肝組織を作成し(1)実験試料として利用、(2)医薬品開発へ応用、(3)再生・移植医療へ応用することを目標とした。 ヒトES細胞から、胚様体を2日間形成させた後に、Activin-AとbFGFにてDefinitive endodermへの分化誘導を行い、その後、肝細胞成長因子HGFとDMSO(dimethyl sulfoxide)にて培養し、最後にデキサメサゾンを添加することで機能的な肝細胞への誘導を行った。 当該肝細胞では、薬物代謝の面で重要なチトクロムP450(CYP)3A4の発現が確認された。 CYPは薬物の代謝に関与する代表的な酵素であるが、中でもCYP3A4は現在臨床で使用されている医薬品の50%以上の代謝に関与している分子種であり、薬物治療の最適化を考える上で最も重要な代謝酵素であることから、当該細胞の医薬品開発へ応用が可能と考える。また、分化誘導したヒトES細胞由来肝細胞はヒトアルブミンを培地中に産生することが分かり、免疫不全マウスに移植したところ、移植細胞は肝臓内に生着し、マウス血中にヒトアルブミンが持続的に検出された。当該結果は、ヒトES細胞由来肝細胞が再生・移植医療へ応用可能であることを示す重要な所見である。
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Research Products
(13 results)