2010 Fiscal Year Annual Research Report
TregとTh17の制御による肺移植後の拒絶反応に対する新たな治療戦略の開発
Project/Area Number |
20390368
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
奥村 明之進 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (40252647)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
南 正人 大阪大学, 医学部附属病院, 准教授 (10240847)
井上 匡美 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (10379232)
門田 嘉久 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (50464243)
竹田 潔 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (20309446)
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Keywords | 肺移植 / 閉塞性際気管支炎 / 拒絶反応 / IL-6 / Th17 / IL-17 / Stat3 / シグナル伝達 |
Research Abstract |
マウスの気管移植モデルを用いて、肺移植後の慢性拒絶反応である閉塞性細気管支炎(Bronchiolitis obliterance、BO)の病態と制御を検討した。Alloの系での移植では、気管graftのIL-6とIL-17の産生のm-RNAの発現亢進が認められ、免疫組織染色によりグラフト内に集族するリンパ球と血管内皮細胞にIL-6の産生が確認された。末梢血レベルでは、Alloの移植の系でもThl7細胞の比率の上昇は認められなかった。抗IL-6中和抗体を投与すると、上記のBO類似の局所の拒絶反応は軽減され、組織中のIL-17の産生も有意に低下した。 以上より、肺移植後の慢性拒絶であるBOの発症機序にはグラフトの局所でのThl7の関与が示され、IL-6の制御が慢性拒絶の抑制に寄与することが示唆された。本研究の結果は、Transplantation誌に掲載され(Transplantation 2010 ; 89 : 1312-1319)、表紙にも引用された。 引き続いて、IL-6の受容体からのシグナル伝達経路に介在するSTAT3に注目して検討を行った。STAT3は亜鉛イオンと結合するとconformation changeにより機能が障害されることが知られている。経口的に亜鉛投与をうけたマウスに対して気管移植を行うと、Alloの系ではも気管graftのBO変化が軽減されることが確認された。
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