2008 Fiscal Year Annual Research Report
転移型・進行非小細胞肺癌治療のための新規ウイルス製剤および投与法の開発
Project/Area Number |
20390369
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
松岡 順治 Okayama University, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (30332795)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 紀章 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (10127566)
山辻 知樹 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (40379730)
深澤 拓也 岡山大学, 医学部, 客員研究員 (20379845)
小野 俊朗 岡山大学, 自然生命科学研究支援センター, 准教授 (50185641)
樅木 勝己 岡山大学, 自然生命科学研究支援センター, 准教授 (70304615)
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Keywords | 制限増殖アデノウイルス / 肺胞サーファクタント / Thyroid transcription factor 1 / 進行肺癌 |
Research Abstract |
肺癌は最も予後不良な癌の一つで、その5年生存率は12〜14%に過ぎない。本邦におけるその死亡者数は男女とも一貫して増加しており、1998年以降胃癌死亡を抜いて癌死亡原因の第1位となっている。該疾患が難治性癌である理由として、転移を起こしやすい点が挙げられ、我々は本研究においてこのような手術不能進行非小細胞肺癌に対する転移巣を含めた新しい治療法の開発のため肺癌特異的増殖型アデノウイルス作製を行い、平成20年度に以下の検討を行った。 肺癌特異的TTS(TTF1 gene under the control of hTERT promoter and SPA promoter)プロモータ下流に、増殖に必要なEIA遺伝子を発現する、肺癌特異的制限増殖型アデノウイルス:Ad-TTS/EIAを作製し、肺癌細胞H441内での発現ならびにその増殖性が確認できている。Ad-TTS/EIA感染後外来EIAは感染後の経時的増加を認め、当該細胞は初期MOI(multiplicity of infection)10にて96時間以内に死滅している。一方でAd-TTS/EIAは正常肺線維芽細胞内でのEIAの発現ならびに増殖は認められず、さらに細胞死の誘導は認められなかった。また我々はin vivoにおいて、KRas変異型肺癌モデルマウスを作製、ドキシサイクリン経口投与後の肺腺癌発症が確認でき、当該マウスにおいて上記肺癌特異的制限増殖型アデノウイルス経気管支的投を行い、当該ベクターの至適投与量の検討ならびに抗腫瘍性の検討が終了している。
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