2008 Fiscal Year Annual Research Report
免疫寛容による臓器(心臓)移植;薬剤誘導性免疫寛容系の展開
Project/Area Number |
20390371
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
富田 幸裕 Kyushu University, 医学研究院, 准教授 (90180174)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉開 泰信 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (90158402)
山田 久方 九州大学, 生体防御医学研究所, 准教授 (20363369)
中島 淳博 九州大学, 大学病院, 助教 (10260704)
清水 一郎 九州大学, 大学病院, 医員 (70444841)
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Keywords | 免疫寛容 / キメリズム / サイクロフォスファミド |
Research Abstract |
サイクロフォスファミドを用いた移植免疫寛容誘導は、混合キメリズム現象を誘導することで成立する実験系であり、iNKT細胞はこの実験系に必須である,iNKT細胞は、サイトカインを即座・豊富に産生する特徴があり、免疫反応を多様に制御している,IFN-YなどのTh1サイトカイン産生を介して細胞性免疫活性を高め、感染免疫では病原体排除、腫瘍免疫では腫瘍拒絶に作用する,反対に、IL-4・IL-10などのTh2サイトカイン産生を介して免疫抑制作用を高め、自己免疫疾患を抑制する。移植免疫分野でも、IFN-Yが寛容誘導に関与するという報告や、IFN-Y・IL-4は寛容誘導に関与しないという報告がある。しかし以上とは逆の結果も報告されており、例えばiNKT細胞の産生するサイトカインは、自己免疫疾患を悪化させるという報告や、IFN-Yが移植膵島細胞を拒絶するという報告がある。このように、iNKT細胞の作用は完全に解明されたとはいえない,本研究においては、iNKT細胞を活性化あるいは不活性化した状態で、キメリズムおよび寛容誘導が成立するかを検討した。また、iNKT細胞が産生するサイトカイン(IFN-Y,IL-4、IL-10)の機能を解析した.その結果、iNKT細胞が産生する各種サイトカイン(IFNY.IL-4,IL-10)は、そのサイトカインが単独で寛容誘導に必須なのではないこと示された。さらに、寛容誘導初期にiNKT細胞を活性化してもキメリズムのレベルは変化しなかったが、寛容誘導初期にiNKT細胞を不活性化した場合、キメリズムが消失し免疫寛容が誘導されないという現象が明らかになった。
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