2010 Fiscal Year Annual Research Report
脳電気刺激による神経保護効果のメカニズムの解明と臨床応用への基礎的研究
Project/Area Number |
20390380
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
山本 清二 浜松医科大学, 光量子医学研究センター, 准教授 (60144094)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井原 勇人 浜松医科大学, 医学部, 助教 (00223298)
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Keywords | 脳神経疾患 / トランスレーショナルリサーチ / 共焦点顕微鏡 / 虚血耐性 |
Research Abstract |
平成20・21年度に得られた当該研究に関する知見は:(1)小脳室頂核(FN)電気刺激(1h)72h後にMCA永久閉塞を行い、閉塞後24h後にNissl染色で計測した脳梗塞は、sham刺激群:190.57±5.12mm^2 vs FN刺激群:150.30±11.13mm^2と有意(p=0.000634)にFN群で梗塞巣は小さい(神経保護効果が見られる);(2)UCP-4は、FN電気刺激後72h(神経保護効果が最大の時期)に脳内発現が蛋白レベルとmRNAレベルで増加している;である。 平成22年度は上記の知見を基に、仮説1「FN電気刺激によりミトコンドリアKATP-channelが開き活性酸素が発生し、その結果UCP-4が発現、それにより虚血耐性を獲得する」と、仮説2「より臨床応用可能な方法であり同様に一種のdiving responseを引き起こす三叉神経第一枝の電気刺激は、同様のメカニズムをもたらし神経保護的に働く」を検証することを目的とした。 【結果】 (1) FN電気刺激後72hで作製したラット脳スライスでは、chemical hypoxiaに対するミトコンドリアの膜電位(蛍光色素で評価)は有意に変化しにくい→FN電気刺激によりミトコンドリアの機能が強化 (2) KATP-channel opening blockerによりFN刺激による神経保護効果が消去される (3) UCP-4に対するSiRNAを脳室内投与することにより、FN電気刺激によるUCP-4の発現が抑制(knock down)され、虚血耐性が消去(詳細は解析・検討中)される。 以上より、仮設1が正しいことが検証できた。なお、仮設2の検証に関しては、発現ベクターのデザインの有効性が決定できず、個体レベルでのUCP-4発現の観察のためのtransgenic rat作製がでなかった。そのため今年度は実施できなかったので、今後検討すべき研究課題とした。
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Research Products
(3 results)