2008 Fiscal Year Annual Research Report
細胞内小領域標的ナノヴィークルの開発とがん治療への応用
Project/Area Number |
20390381
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
水野 正明 Nagoya University, 大学院・医学系研究科, 准教授 (70283439)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島戸 真司 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (30464142)
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Keywords | 細胞 / ナノテクノロジー / 細胞内小器官 / がん / siRNA |
Research Abstract |
本研究では、我々がこれまでに独自開発してきたキャリアテクノロジーのうち、DEAEポリマーテクノロジーとリポソーム化テクノロジーの2つを活用することで、次世代テクノロジーとして要求されている細胞内の特定小領域を標的としたナノヴィークル(ナノメートルサイズのバイオマテリアルキャリア)を開発し、GLP、GMP化を通してがん治療への応用を目指している。目標の達成には(1)試験物のデザイン(設計)、(2)試験物の製造、(3)生物学的効果の検証、及び(4)GMPでの製造といったプロセスをそれぞれ実施することが求められているが、今年度は(1)試験物のデザイン(設計)及び(2)試験物の製造を行った。試験物のデザイン(設計)では、コンピュータを活用したドライ環境での試験物デザインと培養細胞系を用いたウェット環境での試験物動態を調べた。これまでに生物学的活性を確認している候補分子の中から、DNase gammaとauroraを選択し標的とした。DNase gammaにおいては、この蛋白が核膜に局在し活性時には一度細胞質内にでて、その後核内に入り込むといった動態を観察した。その後、DNase gammaに対してsiRNAとそれを鋳型にしたペプチド等価体をデザインしたが、期待したほどの分子結合能及び生物学的活性を発揮することができず、(2)の試験物の製造までは至らなかった。一方、auroraに対するsiRNAでは生物学的活性の有意性を確認できたが、そのペプチド等価体は十分ではなかった。このことからDNase gammaと同様、(2)の試験物の製造までは至らなかった。このため予算とともに今年度計画の一部を次年度に繰り越すことにした。しかしながらその後の検討で十分な活性をもつペプチド等価体のデザイン化に成功したことから、次年度はじめには今年度繰越分をカバーできる見通しがたった。
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