2009 Fiscal Year Annual Research Report
悪性グリオーマにおけるWT1免疫療法・化学療法併用新規集学的治療法の開発
Project/Area Number |
20390384
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Research Institution | Hyogo College of Medicine |
Principal Investigator |
泉本 修一 Hyogo College of Medicine, 医学部, 准教授 (40324769)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坪井 昭博 大阪大学, 医学系研究科, 寄附講座准教授 (10372608)
橋本 直哉 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (90315945)
木下 学 大阪大学, 医学系研究科, 医員 (40448064)
森 鑑二 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (50360269)
友金 祐介 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (10412008)
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Keywords | 悪性グリオーマ / 膠芽腫 / WT1 / 免疫療法 / がんワクチン療法 |
Research Abstract |
悪性神経膠腫患者におけるWT1特異的T細胞の割合と数が、テモゾロミド・放射線治療(TMZ/RT併用療法)によりどのように変化するかを調べた。すなわち、初発悪性神経膠腫患者22名を対象に、TMZ/RT併用療法開始前と6週終了後に末梢血リンパ球中CD8陽性T細胞、制御性T(Treg)細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、ナチュラルキラーT(NKT)細胞の割合と数を測定した。WT1免疫治療患者12名には、WT1特異的T細胞の割合と数、その中の4分画(ナイーブ細胞、セントラルメモリー細胞、エフェクターメモリー細胞、エフェクター細胞)の割合も測定した。結果、リンパ球数は、WT1療法前の1300cells/mm^3が、TMZ/RT併用療法6週終了後に631cells/mm^3と有意に減少した。CD8陽性T細胞、NK細胞、NKT細胞の割合は変化を認めなかったが、絶対数が有意に減少した。Treg細胞の割合はWT1療法前が4.83%からTMZ/RT併用療法6週終了後には7.50%と増加したが、絶対数は有意な変化を示さなかった。WT1特異的T細胞は治療前0.196%が、TMZ/RT併用療法6週終了後に0.256%と上昇傾向を示した。WT1特異的T細胞の中の4分画の割合に変化は認めなかった。結論として、Treg細胞はTMZ/RT併用療法によって割合が増加するという所見が得られた。WT1特異的T細胞はTMZ/RT併用療法によって、数は有意に減少したが割合は増加傾向を示し、その後のTMZ維持療法中、一部の患者で増加した。TMZ維持療法中にWT1免疫療法を行うことにより効果的に抗腫瘍効果が誘導される可能性が考えられた。インターフェロンβをアジュバントとして併用した場合の免疫動態については引き続き検査解析中である。
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Research Products
(17 results)