2008 Fiscal Year Annual Research Report
癌幹細胞分化誘導システムを利用した乏突起膠腫の新規分子マーカーの探索
Project/Area Number |
20390387
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
竹島 秀雄 University of Miyazaki, 医学部, 教授 (70244134)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上原 久生 宮崎大学, 医学部, 准教授 (80203470)
森山 拓造 宮崎大学, 医学部, 講師 (50239703)
山下 真治 宮崎大学, 医学部, 助教 (40468046)
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Keywords | 癌幹細胞 / 乏突起膠腫 / 分子マーカー / グリオーマ / 分化誘導 |
Research Abstract |
予後の悪い悪性グリオーマにおいて、放射線や化学療法に対して感受性が高く、予後の良好な乏突起膠腫が注目されている。ただ、現時点ではその診断は形態学的特徴をもとになされているため、主観的な要素に左右されるという問題がある。最近、遺伝子異常としてlp,19qのLOHが高頻度に見られることが報告されているが、臨床検査においてルーチン化するには操作が煩雑であるため、より簡便な鑑別法が必要である。また、そのような特異的マーカーが発見されれば、腫瘍の発生メカニズムに明確な回答を与えてくれるかもしれない 本研究は、1)乏突起膠腫の特異的分子マーカーを同定し、診断を容易にすること、2)特異的分子群の発現プロファイルをもとに乏突起膠腫の生物学的位置づけを明らかにすることである。 本年度は、Cancer stem cellの系を確立するため、まず培養細胞でspheroid形成を行い、これを蛍光抗体法で染色し、未分化な細胞で特異的に発現している分子群の発現を確認した。次いで、手術摘出標本よりprimary cultureを経て、複数系統のcancer stem cell集団の培養系を確立した。現在、薬剤の添加によりglia系や神経系への分化を形態や蛍光抗体法で確認しているところであるが、細胞の突起の伸展と蛍光抗体法による既知のマーカーの発現との対応が観察された。今後、様々なサイトカインを作用させることにより分化誘導の系を確立していく予定である。
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