2009 Fiscal Year Annual Research Report
癌幹細胞分化誘導システムを利用した乏突起膠腫の新規分子マーカーの探索
Project/Area Number |
20390387
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
竹島 秀雄 University of Miyazaki, 医学部, 教授 (70244134)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上原 久生 宮崎大学, 医学部, 准教授 (80203470)
横上 聖貴 宮崎大学, 医学部, 講師 (40284856)
山下 真治 宮崎大学, 医学部, 助教 (40468046)
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Keywords | 癌幹細胞 / 乏突紀膠腫 / 分子マーカニ / グリオーマ / 分化誘導 |
Research Abstract |
一般的に、悪性グリオーマは放射線療法や化学療法に対して治療抵抗性であり、現在最も予後の悪い悪性腫瘍の代表である。その腫瘍のサブグループにおいて、例外的に放射線や化学療法に感受性が高い乏突起膠腫の存在が注目されている。ただ、その診断はこれまで形態学的な指標により行われてきたため、主観的な影響を受けやすく、また近年1p,19qの染色体の相互転座が高頻度に起こることが報告されたが、通常の臨床においては煩雑であるため、より簡便な鑑別法が求められてきた。 本研究の目的(Long goal)は、乏突起膠腫において臨床的に有用かつ簡便な分子マーカーを開発することである。 そのため最初のステップとして、腫瘍の本来の性質を具現化すると思われる癌幹細胞を分離・培養して、これを用いて特異的に発現する分子の探索を行うプロジェクトを行っている。 現在、グリオーマ培養細胞株や手術摘出組織よりsphere法を用いて数種類の癌幹細胞株を単離している。これらの細胞にneuronal precursor cellよりoligodendrocyte progenitor dellを分化させる因子として報告されているbFGFやPDGFを作用させたが、癌幹細胞からoligodendrocytic differentiationを示す細胞集団の誘導はできなかった。これは、腫瘍化した細胞における分化誘導因子は、正常細胞に効果的に作用するものとは一致しないことを示している。 現在、それ以外の様々な条件を試し、癌幹細胞における分化誘導系の確立に取り組んでいる。
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Research Products
(2 results)