2010 Fiscal Year Annual Research Report
幹細胞の神経分化ドメインの同定とそのペプチドを用いた神経再生医療に関する研究
Project/Area Number |
20390389
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
菅野 洋 横浜市立大学, 医学部, 准教授 (40244496)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 典彦 横浜市立大学, 医学部, 助教 (80264654)
水木 信久 横浜市立大学, 医学研究科, 教授 (90336579)
斎藤 知行 横浜市立大学, 医学研究科, 教授 (30170517)
出澤 真理 東北大学, 医学研究科, 教授 (50272323)
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Keywords | VHL / 機能性ペプチド / 多能性幹細胞 / 神経再生医療 / 神経幹細胞 / 皮膚由来幹細胞 / パーキンソン病 / 脊髄損傷 |
Research Abstract |
[目的]本研究においては、幹細胞の神経分化を担うドメインを神経分化誘導作用を有するBCボックス蛋白の中から同定し、そのドメインを細胞内へ直接導入することで幹細胞を神経分化させる方法を考え、この方法で採取可能な自己の幹細胞を実際に神経分化誘導したのちに難治性神経疾患患者の脳・脊髄へ移植して神経を再生させる神経再生医療を実現するための研究を行う目的とした。 [方法・結果]すでに蛋白全体として神経幹細胞からの神経分化誘導機能が明らかにされているvon Hippel-Lindau腫瘍抑制蛋白(VHL)を10分割して、分割された10種類のペプチドを神経幹細胞へ導入したところ、神経分化ドメインの候補としてVHLのリガンドであるelonginBCの結合部位の15個のアミノ酸配列が、同定された。このドメインのアミノ酸配列からなるペプチドを合成し、蛋白導入ドメインを付加して神経幹細胞へ導入すると、約6時間後には神経突起の伸長、神経特異的蛋白の発現を認め、主にドーパミン作動性ニューロンへの分化が確認された。こうした神経分化誘導ペプチドの作用は、神経幹細胞のみならず、他の多分化能を有する幹細胞(ヒト・ラット皮膚幹細胞、ラット骨髄幹細胞)に対しても認められ、更に、幹細胞から神経分化誘導された細胞を神経疾患モデル(パーキンソン病、脊髄損傷)動物に移植して神経を再生させることにより症状の改善を認めており、移植した細胞が脳・脊髄内で神経細胞へ分化していることを確認した。 [結論]これらの知見から、この機能性ペプチドを幹細胞へ導入した細胞をドナーとした神経再生医療が将来的に臨床応用されることが期待された。
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Research Products
(3 results)