2008 Fiscal Year Annual Research Report
骨軟部悪性腫瘍の生体内蛍光イメージング -原発巣から転移,治療まで
Project/Area Number |
20390396
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
土屋 弘行 Kanazawa University, 医学系, 准教授 (40227434)
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Keywords | 癌 / 蛍光蛋白 / 骨軟部腫瘍 / イメージング / 免疫療法 |
Research Abstract |
蛍光をつかった生体内のイメージングを以下の4つのテーマにわけ,平行して研究した。 1) 蛍光抗体を使った生体内の腫瘍のイメージングとして、腫瘍特異的な抗体と蛍光二次抗体を利用し,骨軟部腫瘍を蛍光標識することを目的とした。骨代謝で増加するALPを使用し,培養細胞を抗ALP抗体で免疫染色すると、抗体は陽性であった。この抗体と蛍光二次抗体を使用し、骨肉腫培養細胞を標識した。通常のAlexaFluor蛍光抗体で標識されることが確認されたが、可視化が不明瞭であり、蛍光標識の方法をZenon法に変えたところ、標識が良好となった。これを今後in vivoに応用する予定である。 2) 骨軟部腫瘍のマーカーの検索. 骨肉腫の細胞を主に使用している。Her2は、乳癌などで発現が報告されているが、骨肉腫でも3割程度陽性である。これに着目し、蛍光イメージングに応用を予定している。また、遺伝子の検索で、接着因子であるプラコグロビンの発現が、骨軟部肉腫の悪性度に相関する結果が得られている。 3) マウス肺転移モデルでのリアルタイムイメージング. マウスを人口呼吸下で開胸し,呼吸や心拍の振動をおさえて肺転移のイメージングを行った.これまで,高輝度の蛍光発現細胞,高感度カメラなどを使用することで、連続8時間の肺の観察や、同一マウスでの数回の開胸と閉創の繰り返しに成功している。免疫マウスと免疫不全マウスでの比較を行い、肺転移の初期の反応としては、T細胞の関与が薄く、他の要因が大きいことが示唆された。 4) 液体窒素処理腫瘍の免疫増強反応.マウスに生育した腫瘍を摘出、液体窒素処理して腫瘍細胞を殺したのち、マウスに接種することで、癌免疫が高まることを確認する目的とした。蛍光標識したリンパ球を用いることで、液体窒素処理した群でリンパ球の集積が期待されたが、有意差がなく、現在は、樹状細胞による抗原提示も併用して行っている。
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Research Products
(12 results)