2011 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者の運動機能評価の長期縦断的研究と運動機能向上に関する介入プログラムの開発
Project/Area Number |
20390397
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
長谷川 幸治 名古屋大学, 医学系研究科, 准教授 (50208500)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八田 武志 関西福祉科学大学, 健康福祉学部, 教授 (80030469)
今釜 史郎 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (40467288)
加納 稔也 名古屋大学, 医学部附属病院, 医員 (10528813)
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Keywords | 高齢者運動機能評価 / 変形性膝関節症 / 変形性脊椎症 / 骨粗鬆症 / 運動介入 / 疫学的研究 / 長期縦断研究 / ロコモーティブ・シンドローム |
Research Abstract |
北海道八雲町で運動器疾患検診と指導を15年間に延べ今年度までに約10,800名に行ってきた。生活習慣のアンケート、膝関節・脊椎疾患の臨床評価、X線評価、超音波骨密度検査、血液検査、健脚度、遺伝子解析(SNP)、認知機能、血清カロテノイドのデータを使用して脊椎疾患、膝関節、筋力、骨粗鬆症の横断的解析を行ってきた。今回15年間のデータが完成した。 2011年度は416名の検診を行った。検診項目は(1)筋力(握力、背筋、エルゴ)、(2)QOL(SF36),(3)VASによる腰と膝の疼痛評価、(4)超音波骨密度、(5)膝臨床所見、(6)脊椎臨床所見、(7)健脚度(10m歩行速度、最大歩幅、40cm昇降)、(8)重心動揺、(9)レントゲン撮影(立位Rosenberg撮影)、(10)スパイナルマウス、(11)筋血流測定、(12)転倒手帳、(13)血清および尿、(14)ロコモーティブ・シンドロームの評価(15)functional reachtest、(16)time up go tesである。今回高齢者の運動疾患の疫学的研究で、一般住民における変形性膝関節症、変形性脊椎症、骨粗鬆症を目的疾患として頻度、重症度、臨床所見、X線所見を総合して病気進行の危険因子を一部同定した。変形関膝関節症や骨粗鬆症があると10年後に、ともに2.3倍死亡率が高いことがわかった。死亡め原因は変形性膝関節症があると脳卒中、心臓疾患死亡することが高い。骨粗鬆症は悪性腫瘍、肺炎で死亡する危険性が高かった。変形性脊椎症では死亡に有意に関連していなかった。運動介入試験では3か月間毎日からだの体操または頭の体操をおこなった。からだの体操は棒を使用したエアロビックス運動プログラムを作成した。介入試験では運動機能の改善は認めなかった。しかし有意に重心動揺が悪化した。筋力のバランスが変化したためと考えた。ロコモーティブ・シンドロームの評価は運動機能評価に有用であることを確認した。
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Research Products
(7 results)