2009 Fiscal Year Annual Research Report
関節炎におけるアグリカナーゼ制御機構と変形性関節症早期診断・関節保護治療への応用
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20390399
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
廣畑 聡 Okayama University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (90332791)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
二宮 善文 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (70126241)
西田 圭一郎 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (80284058)
成瀬 恵治 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (40252233)
大橋 俊孝 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (50194262)
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Keywords | 医療・福祉 / 遺伝子 / アグリカナーゼ |
Research Abstract |
今回の研究で、我々は変形性関節炎早期病態でのアグリカナーゼ遺伝子の発現誘導を来すメカニズムを解明するとともに変形性関節炎早期診断を目的としたアグリカナーゼ検出法を確立することを目標とし、今年度は以下の研究を実施した。 1. メカニカルストレスによる遺伝子発現制御メカニズムの検討 関節を構成する組織由来細胞におけるメカニカルストレスの影響を検討するため、培養細胞伸展システム(ストレックス社製ST-140)を用いて以下の実験を行った。変形性膝関節症患者で人工膝関節置換術施行時に得られた靭帯から細胞を分離培養した。ファイブロネクチンでコーティングしたチャンバー上にて単層培養し、ST140(ストレックス社)にて周期性伸張刺激(0.5Hz、7%)を2時間負荷した。周期性伸張刺激を加えずに同条件下に培養維持したものをコントロールとした。COL1A1、COL2A1、COL3A1、Integrin alphaVbeta3、alpha5、beta1の発現をリアルタイムPCR法および免疫染色にて検討した。周期性伸張刺激群ではCOL1A1の発現が増強していた。抗インテグリンαVβ3ブロッキング抗体の添加により周期性伸張刺激後のCOL1A1発現の上昇が抑制された。このことは、インテグリンαVβ3を介するメカニカルストレス誘導性シグナルを示していると考えられた。 2. ラット変形性関節炎モデルの作成 アグリカナーゼはプロトタイプのマトリックスメタロプロテアーゼによる切断部位とは異なる部位で、アグリカンを切断する。麻酔下に膝関節の前十字靱帯および内側側副靭帯を切除後に内側半月板を除去し、ラット変形性関節炎モデルを作成した。今年度はまず手術群と非手術群における関節破壊の程度を比較するための組織作成を実施した。来年度以降、本モデルにより生体でのアグリカナーゼ局在を明らかにできる。
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Research Products
(13 results)