2010 Fiscal Year Annual Research Report
関節炎におけるアグリカナーゼ制御機構と変形性関節症早期診断・関節保護治療への応用
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20390399
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
廣畑 聡 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (90332791)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
二宮 善文 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (70126241)
成瀬 恵治 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (40252233)
大橋 俊孝 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (50194262)
西田 圭一郎 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (80284058)
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Keywords | 関節炎 / ADAMTS |
Research Abstract |
変形性関節症(OA)は、整形外科領域では最も頻度の高い骨・関節疾患であり、本邦では約600万人以上、70歳以上の実に30%が悩まされ高齢者のQOL低下の大きな原因となっている。OAの進展予防は、医療経済的観点からも重要である。 しかしながら、その早期診断には苦慮することも少なくない。最近、関節の主要な成分であるアグリカンがOAの早期に切断され、その切断酵素アグリカナーゼが、OAの病態において極めて重要であることが明らかとなった(Nature 2005;434(7033);648-652,,Nature 2005;434(7033):644-648)。アグリカナーゼの発現誘導メカニズムはOAの進展に深くかかわっていると言える。我々はOA早期病態でのアグリカナーゼ遺伝子の発現誘導を来すメカニズムを解明すべく以下の研究を実施した。 (1)ストレスによるアグリカナーゼ遺伝子発現制御機構(廣畑・西田・大橋・成瀬) ADAMTS9のプロモーター解析により、発現調節に働く転写因子(NF-κB,RUNX等)のを検討した。NF-κB結合部位が示され、クロマチン免疫沈降法によりNF-κBの結合を検討した。 (2)メカニカルストレスによるADAMTS遺伝子発現機構の解明(廣畑・西田・二宮) SW1353軟骨細胞にメカニカルストレス刺激を加えた際のMMP-13およびADAMTS-5発現変化を検討したところmRNA発現が増加していた。RUNX-2を強制発現させたところ、MMP-13,ADAMTS-5の発現が増加した。反対にRUNX-2のRNA干渉法はMMP-13,ADAMTS-5の発現を低下させた。メカニカルストレス刺激は細胞内情報伝達系のうちp38MAPKを活性化させ、その阻害剤はMMP-13,ADAMTS-5の発現誘導を阻害した。 (3)ラット変形性関節炎モデルの作成(廣畑・小川・二宮) アグリカナーゼはプロトタイプのマトリックスメタロプロテアーゼによる切断部位とは異なる部位で、アグリカンを切断する。麻酔下に膝関節の前十字靭帯および内側側副靭帯を切除後に内側半月板を除去し、ラット変形性関節炎モデルを作成した。昨年度はまず手術群と非手術群における関節破壊の程度を比較するための組織を作成し、免疫染色の条件検討を行った。
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Research Products
(14 results)