2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20390401
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
安井 夏生 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (00157984)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高田 信二郎 徳島大学, 病院, 准教授 (20284292)
松浦 哲也 徳島大学, 病院, 講師 (30359913)
二川 健 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (20263824)
高橋 光彦 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (10372715)
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Keywords | 仮骨延長 / 骨成長因子 / 持続投与 / distraction / osteoenesis |
Research Abstract |
体重2kgの白色家兎60羽を用いて骨延長実験を行った。下腿の骨幹部で骨切りを行い、近位骨片と遠位骨片をOrthofix M-100創外固定器で連結固定した。術後7日間の待機期間(lag phase)をおいた後0.35mm/12hの速度で延長を開始した。14日間の延長期間(distraction phase)に10mmの延長量が得られた。骨癒合が得られるまで5週間のconsolidation phaseを置いた後、創外固定器を除去した。あらかじめ骨切り部の中央の骨髄内に静脈針を留置しておき、延長により針の先端が仮骨の中心にくるように調整した。背部皮下に移植した浸透圧ポンプから様々な薬剤を骨髄内に持続投与した。創外固定器除去後、DEXAやpQ-CTで延長仮骨の骨密度を測定し、3点曲げ試験で骨強度を測定した。実験の結果consolidation phaseの最初の2週間にFGF-2とビスフォスフォネート(alendronate)を同時投与するのが骨癒合促進には最も有効であることがわかった。FGF2は骨形成の促進を、ビスフォスフォネートは骨吸収の抑制をすることにより骨癒合促進に働いていると考えられた。 Alendronateの投与量は1日7μg/kgであり、全身投与実験とくらべ100分の1以下の投与量で十分な治療効果が得られることがわかった。FGF-2とalendronateを同時投与した際に形成される巨大な延長仮骨をマイクロCTにて観察すると、辺縁に骨皮質を欠き、仮骨は全て海綿骨からなっていた。リモデリング機構に破綻をきたしていると考えられるが、詳しいメカニズムはまだ明らかでない。いずれにせよ薬剤の延長仮骨への局所持続投与は新しいdrug delivery systemであり、有効性の点からも副作用軽減の点からも今後十分臨床応用が可能な方法であると考えられた。
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Research Products
(12 results)