2011 Fiscal Year Annual Research Report
活性化髄核細胞移植療法による椎間板変性抑制・細胞保存法の確立と安全性の検討
Project/Area Number |
20390405
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
持田 譲治 東海大学, 医学部, 教授 (30129697)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
酒井 大輔 東海大学, 医学部, 講師 (10408007)
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Keywords | 髄核細胞 / 骨髄間葉系幹細胞 / 凍結保存 / 椎間板移植 / 変性抑制 |
Research Abstract |
骨髄間葉系幹細胞との細胞間接着を伴う共培養で活性化された髄核細胞の臨床応用適応拡大における応用群、すなわち、1)ヒト髄核組織そのものの凍結群、2)分散した髄核細胞を凍結前に骨髄間葉系幹細胞によって活性化する群、3)髄核細胞を凍結後の再解凍した後に同様に活性化する群の3群間では、細胞のviability、細胞増殖能、基質合成能に明らかな差がないことを過去3年間の本プロジェクトで示した。本研究では、変性が進行した椎間板内への細胞や組織移植の際に、移植を受ける側の状態がその移植の有効性を決定する上で重要な因子となることに着目し、移植をうける椎間板組織における酸素分圧の差異、栄養状態の差異によって、3群の活性化髄核細胞がどのような影響を受けるかについて検討することを目的とした。手術時に摘出したヒト髄核細胞(n=10)、腸骨骨髄穿刺より得た骨髄液(n=10)を使用し、髄核組織をA)非凍結群、B)酵素処理後の細胞凍結群(凍結期間2週間)、C)組織凍結群(凍結期間2週間)に三等分し、骨髄間葉系幹細胞との細胞間接着を伴う共培養の環境下で、高、中、低酸素分圧と培地内のグルコース供与の3段階との組み合わせで、各々9つの培養環境を作成し、活性化髄核細胞の質的、量的状態を検討した。細胞数、viabilityの測定(凍結群解凍時の状態を非凍結群と比較)、MMT assay、GAG/DNA、Aggrecanの5項目と9培養環境群間の関連の検討では、定量的な相関関係は統計学的に明らかとはならなかったが、高酸素分圧+中グルコース濃度以下の組み合わせの群が細胞活性化が量的、時間的な面から促進されないことが明らかとなった。以上より、変性のない椎間板腔内でみられる髄核中心部の無血管、低酸素濃度の環境は、髄核細胞にとって生理的な環境であることが示され、中等度までの変性椎間板に対する髄核細胞移植術の効率化を高める上で重要なデーターが得られたと考えられる。
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Research Products
(3 results)