2008 Fiscal Year Annual Research Report
再生組織工学の手法を用いた神経因性疼痛に対する新しい外科的治療法の開発
Project/Area Number |
20390416
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
稲田 有史 Kyoto University, 再生医科学研究所, 非常勤講師 (90254515)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 達雄 京都大学, 再生医科学研究所, 准教授 (70227908)
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Keywords | 人工神経 / 再生医工学 / 末梢神経 / 神経因性疼痛 / 神経管 / 神経誘導管 / 神経再生 / 星状神経節ブロック |
Research Abstract |
CRPS-II型に分類されるmajor Nerveの損傷を伴う複合神経因性疼痛に対しては、外科的アプローチは禁忌とされてきた。ところが難治性のCRST-II患者に対して局所の末梢神経損傷部を切除し人工神経を用いて再生回復させると、驚くべき事に9割近い患者でgood & excellentの回復が見られることが判明した。そこで末梢神経の再生に関しては生体内分解性高分子材料PGAとコラーゲンのコンポジットによる人工神経を開発し、2002年春より今日に至るまですでに210症例310本以上の臨床使用経験を積み上げてきた。 末梢神経を再生治癒させるのに用いているin situ Tissue Engineeringの手法は、生体の組織を培養室のシャーレの中ではなく体内で再生する我々が開発した新しい組織工学の手法である。 アテロコラーゲンを用いた三次元的な薄フィルム多房構造を有するコラーゲンを人工神経に充填した神経再生管サンプルを作製した。 脂肪織由来ならびに骨髄由来の自己間葉幹細胞の分離、培養、増殖を行った。 末梢血よりPlatelet Rich Plasma(PRP)を採取した。 ピーグル犬の末梢神経に各々の神経損傷を作り、このモデルを用いて人工神経で局所再生治療を行った群と、painful neuromaを放置した群でどのような差が出るか比較した。この他にPRPや星状神経節ブロックを行った群で“場"を改善することによる効果の判定も行った。 軸索の再生パターンの形態学的な解析には、再生部位神経の中枢と末梢の2箇所からFluorogoldなど蛍光マーカーをガラス製極細シリンジを用いて注入して検討した。 神経の回復を画像解析とコンピューターを用いて行って評価した。
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