2009 Fiscal Year Annual Research Report
悪性腫瘍化学療法による神経因性疼痛の神経科学基盤の解明
Project/Area Number |
20390418
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
並木 昭義 Sapporo Medical University, 名誉教授 (00136954)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川股 知之 信州大学, 医学部, 准教授 (80336388)
木谷 友洋 札幌医科大学, 医学部, 研究員 (10438046)
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Keywords | 悪性腫瘍 / 疼痛 / 化学療法 / L-serine |
Research Abstract |
雄性SDラットにパクリタキセル2mg/kgを隔日投与し化学療法誘起末梢神経障害モデルを作成した.対照ラットには溶媒のみ投与した 1. 行動学的評価 パクリタキセル投与終了8日目に冷覚アロディニアを呈し,投与終了27日目には回復した.Von Freyフィラメントによる機械刺激性痛覚過敏はパクリタキセル投与終了8日目に発現し,投与終了27日目にも持続していた.熱性痛覚は出現しなかった. 2. 尾部の感覚神経伝達速度測定 機械的痛覚過敏発現と一致して尾部の感覚神経伝達速度遅延が観察された.伝達速度遅延は終了後27日目まで持続した.しかしながら痛覚過敏の経時変化と異なり,27日目以降徐々に回復した. 3. L-serine測定 HPLCシステムを用いて後根神経節,脊髄,末梢神経軸策でのL-serine含有量を測定した.その結果,痛覚過敏および感覚神経伝達速度遅延の時間経過と一致して後根神経節でL-serine含有量の低下が観察された.脊髄,末梢神経軸策ではL-serine含有量の低下は認められなかった. 4. 3PGDH測定 L-serine合成酵素である3PGDH発現をウエスタンブロット法を用いて後根神経節で検討した.その結果,L-serine含有量低下に先立って3PGDH発現が低下することが明らかとなった.
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