2008 Fiscal Year Annual Research Report
小胞輸送分子 Hrs-koマウスを用いた、ユビキチンを癌治療標的とする基礎的研究
Project/Area Number |
20390428
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
八重樫 伸生 Tohoku University, 大学院・医学系研究科, 教授 (00241597)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
豊島 将文 東北大学, 大学院・医学系研究科, 非常勤講師 (70451581)
菅村 和夫 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (20117360)
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Keywords | Hrs / ユビキチン / 癌 / ノックアウトマウス / 小胞体輸送 |
Research Abstract |
近年、ユビキチン-タンパク質分解機構の異常が癌を含め多くの疾患に関係していることが分かってきた。Hrsはユビキチン化タンパク質をライソソームへと輸送するタンパク質である。我々の以前の研究はHrs欠損細胞において刺激依存性レセプターのdown regulationの遷延化に起因した増殖因子シグナルの増強を認めた。さらにHrsはヒト癌組織で著名な増強を認める。Hrsはヒト悪性腫瘍細胞においてなんらかの作用を及ぼしている可能性がある。今年度の本研究目的はマウスに移植するためのマウス由来癌化細胞の作出である。Hrs欠損マウスは胎生致死であることから、我々はHrsのコンディショナルノックアウト(Hrs-loxP-cko)マウスからのMEF細胞株化樹立を試みた。Hrs-loxP-ckoマウスの13.5日齢胎児の頭部、臓器等を切り取りPBSで洗浄後、培地中で組織を金網に通すことによってほぐし、これをシャーレに播種し、培養することで初代培養細胞とした。この細胞に異なる薬剤耐性(ピューロマイシン、ネオマイシン)マーカーを組み込んだSV40 large T antigenとH-Ras発現ベクターをリポフェクション法で初代培養MEF細胞に安定導入することで癌化MEF細胞を作出した。Hrs-10xPはCreによって排除される。そこで、現在エストロゲンレセプター(ER)融合Creを発現させる遺伝子をレトロウイルスベクターに導入し(Cre-ER)、タモキシフェン依存的にCreが核内へと誘導されるシステムをさらに癌化MEF細胞に導入中である。今後、Cre-ERを持った癌化MEF細胞をマウスに移植し、Hrsの癌増殖への関与機構をin vivoで解析する。
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Research Products
(4 results)