2010 Fiscal Year Annual Research Report
小胞輸送分子Hrs-koマウスを用いた、ユビキチンを癌治療標的とする基礎的研究
Project/Area Number |
20390428
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
八重樫 伸生 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (00241597)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
豊島 将文 東北大学, 大学院・医学系研究科, 非常勤講師 (70451581)
菅村 和夫 宮城県立がんセンター(研究所), 免疫学部, 総長 (20117360)
|
Keywords | Hrs / 癌 / マウス / ユビキチン / ライソソーム |
Research Abstract |
我々は小胞輸送関連遺伝子Hrs欠損がEカドヘリンのユビキチン化後のライソゾームでの分解を遷延化させ、Hrs欠損細胞でのEカドヘリン蓄積がbカテニンの核内移行を阻害しc-MycとcyclinDの発現を減弱させることを先行研究で示した。本計画は当初Cre依存性Hrsコンディショナル・ノックアウトマウスと子宮内膜癌を高頻度に自然発生するPTEN欠損マウスを交配して解析をする予定であったが、技術的トラブルにより交配が予定通りに進行しなかった。そこで、種々の婦人科癌で過剰発現し予後との相関が報告されてc-Mycをバイオマーカーとして、新規治療標的を探索する目的で大規模siRNAスクリーニングを並行して行った。c-Mycは転写因子であり直接阻害は困難であるが、c-Myc依存性にがん細胞で強発現する創薬可能分子(リン酸化酵素、ユビキチンリガーゼ、DNA修復酵素)を標的とする3500遺伝子からなるsiRNAライブラリーを使用した。ヒトHUVECより樹立した繊維芽細胞を用い、c-Myc強制発現細胞(HFFc-Myc)および対照細胞(HFFpBABE)を樹立しsiRNA導入実験でHFFc-Mycを選択的に増殖阻害する148遺伝子を選別した。さらに複数siRNAでの確認実験、遺伝子ネットワーク解析でのc-Mycとの関連性、および入手可能な低分子阻害剤の有無よりCasein Kinase lepsilon(CK1e)を選択した。shRNAによる遺伝子阻害実験および特異的阻害剤IC261を用いて、CK1e欠損がHFFc-Mycにのみ強い増殖阻害効果を示す事をin vitroおよびin vivoマウスモデルで確認した。我々が開発した卵巣がん腹膜播種モデルで卵巣がん細胞株のxenograft実験を行うとIC261投与が有意差に生存期間を延長し新規癌治療標的薬として有用であると示した。
|
Research Products
(4 results)