2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20390430
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
二階堂 敏雄 University of Toyama, 大学院・医学薬学研究部(医学), 教授 (50180568)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 淑子 富山大学, 大学院・医学薬学研究部(医学), 准教授 (00171421)
阿部 素典 富山大学, 大学院・医学薬学研究部(医学), 助教 (60283066)
小池 千加 富山大学, 大学院・医学薬学研究部(医学), 助教 (10523889)
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Keywords | 再生 / 羊膜 / 上皮細胞 / 間葉系細胞 |
Research Abstract |
1)羊膜細胞の不死化及び臨床への応用:羊膜による個体差などから実験の誤差等が生じるのを軽減するためと、羊膜由来細胞を不死化し細胞株を確立するために、国立がんセンター清野透博士との共同により,E6E7及びhTERT、bmil, cyclin inhibitorなどをウイルスを用いて導入し、羊膜上皮細胞、羊膜間葉系細胞、臍帯間葉系細胞の11株の不死化に成功した。11株の中からPDL50を超えても増殖能に変化のない株を選出した。現在、PDLについては30を超えた細胞も出てきている。形態に関する変化は不死化成立当初と比較し現時点では認められなかった。これらの株について造腫瘍性が無いことを動物実験にて確認し、分化誘導を試みた結果、骨、軟骨、脂肪細胞などへ分化誘導することに成功した。 2)我々が開発したヒト乾燥羊膜については、富山大学附属病院倫理委員会において既にその臨床使用が承認されているので、羊膜を手術室にて無菌的に採取し、その後の操作は研究室内に設置されたGNP準拠のクリーンルームにて行い、乾燥過程のみ無菌的操作でない為、臨床使用の前にγ線滅菌を施し、眼結膜の病変切除部に移植した。その結果、乾燥羊膜上に結膜細胞が増殖被覆することを確認した。また乾燥羊膜を、翼状片除去後、緑内障における眼房水トンネル形成術等の眼表面再建術に臨床応用した結果、手術時間の短縮、治療が困難なより大きな組織欠損部に対応可能となるなどの利点が確認された。このように、乾燥羊膜は、適した組織への移植により、より多面的な臨床応用が可能となることが示唆された。
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