2010 Fiscal Year Annual Research Report
生殖免疫の立場から見た不育症、早産、妊娠高血圧症候群の病態解明
Project/Area Number |
20390431
|
Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
齋藤 滋 富山大学, 大学院・医学薬学研究部, 教授 (30175351)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 彰俊 富山大学, 大学院・医学薬学研究部, 助教 (00436792)
|
Keywords | 制御性T細胞 / 妊娠 / 着床不全 / 流産 / 早産 / 妊娠高血圧腎症 |
Research Abstract |
本年度の研究で、妊娠時のトレランスの誘導が妊娠維持に重要なことを明らかにした。 (マウスを用いた研究)BALB/c x DBA/2の交配の際、DBA/2に発現するMls IaはT細胞受容体のVβ6で認識される。そのため父親抗原特異的制御性T細胞(Treg)はCD4^+CD25^+Foxp3^+Vβ6^+細胞で同定できる。さらにKi67発現をみることで父親抗原を認識し増殖するTregを同定できる。同Treg細胞は着床前に子宮所属リンパ節に集簇し、着床後に妊娠子宮に増加することを認めた。また同Treg細胞はCCR5、CCR4を高発現することを認めた。T細胞、B細胞を欠くNOD/SCIDマウスにBALB/c由来のCD4^+CD25^+細胞を除去したリンパ球を輸注しTreg欠損マウスを作製した。同マウスをB6マウスと交配させると高率に流産を生じたが、DX5^+CD25^+制御性NK細胞を輸注すると流産を阻止できた。即ちアロ妊娠維持のためには、Treg細胞のみならずNKreg細胞も重要な役割を果たすことを見い出した。 (ヒトでの研究)免疫組織染色法で、胎児染色体正常流産例では着床部のTreg細胞数が少ないことを明らかにし、またFlow cytometry法にてCCR5^+Treg、CCR4^+Tregが流産子宮で減少する(父親抗原を認識するTregの減少)ことを見い出した。また妊娠維持機構の破綻と考えられるPreeclampsia (PE)ではTregが減少すること、TregのBc1-2発現が減少すること、免疫抑制に関わるGalectin 1発現がT細胞、NK細胞で減少すること、一方拒絶に関わるGranulysin発現はT細胞で増加することを見い出した。またPEの病因として血管新生阻害が重要だが、末梢血中のT細胞、NK細胞からのVEGF産生がPEで減少することを見い出した。早産では羊水中のIL-8と臨床所見を組み合わせると、分娩時期を予測できることが判明した。(826文字)
|
-
[Journal Article] Peripheral blood galectin-1-expressing T and natural killer cells in normal pregnancy and preeclampsia.2011
Author(s)
Molvarec A, Blois M S, Stenczer B, Toldi G, Tirado-Gonzalez I, Ito M, Shima T, Yoneda S, Vasarhelyi B, Rigo J., Saito S.
-
Journal Title
Clin.Immunol
Volume: 139
Pages: 48-56
Peer Reviewed
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-