2009 Fiscal Year Annual Research Report
スギ花粉症に対する舌下免疫療法施行患者血清中の網羅的蛋白解析から得た新薬開発
Project/Area Number |
20390441
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
藤枝 重治 University of Fukui, 医学部, 教授 (30238539)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野口 恵美子 筑波大学, 人間総合科学研究科, 准教授 (40344882)
山田 武千代 福井大学, 医学部附属病院, 講師 (70283182)
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Keywords | スギ花粉症 / 舌下免疫療法 / アポ蛋白A-IV / IL-17 / IL-33 / CpG-DNA / 乳酸菌 / PD-L1 |
Research Abstract |
舌下免疫療法を行ったスギ花粉症患者の治療前後、スギ花粉飛散前、ピーク時、飛散後において経年的に採血した血漿を用いて、IL-17、IL-33、TGF-β、IL-10をELISAキットにて測定した。その結果、IL-17は、舌下免疫療法の施行年数が2年を超えると、治療前に比べ有意に低下することが判明した。そして2年目以降も順次低下していった。しかしIL-33、TGF-β、IL-10は有意な変動を認めなかった。このことは、アレルギー炎症を舌下免疫療法がIL-17低下を介して誘導している可能性を示している。 また舌下免疫療法との相乗効果を認める治療法探索のため、舌下免疫療法と乳酸菌とのプラセボ対照2重盲検試験を行った。その結果、乳酸菌による治療効果ともに免疫療法との相乗効果が認められた。その機序として乳酸菌内のCpG-DNAの影響を考え、B細胞上の共刺激分子発現への影響を調べるとCpG-DNAはB細胞のPD-L1発現亢進をNFκB活性のシグナルにて誘導し、抗原存在下のT細胞からのIL-5産生を抑制した。この抑制は可溶性PD-1を介していた。またこれまでの舌下免疫療法の網羅的解析から、アポ蛋白A-IVが、スギ花粉症の症状と有意に正の相関を示しており、人工的アポ蛋白A-IVが好塩基球からのヒスタミン遊離を押さえていたが、このプラセボ対照2重盲検試験において実薬群では、有意に末梢血のヒスタミン遊離能が低下しており、アポ蛋白A-IVのin vitroの結果と一致した。
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Research Products
(4 results)