2009 Fiscal Year Annual Research Report
舌下免疫-粘膜ワクチンの新たな投与経路としての有用性に関する研究
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20390443
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
黒野 祐一 Kagoshima University, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (80153427)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松根 彰志 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 准教授 (00253899)
田中 紀充 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教 (90404483)
吉福 孝介 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (70381168)
大堀 純一郎 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教 (90507162)
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Keywords | 舌下ワクチン / 粘膜ワクチン / ホスホリルコリン / コレラトキシン / IgA腎症 / PC特異的IgA産生細胞 / 肺炎球菌 / PAF受容体 |
Research Abstract |
1) コレラトキシン舌下投与による粘膜免疫応答の誘導 昨年度の研究で明らかにしたホスホリルコリン(PC)の舌下投与による粘膜免疫応答と粘膜免疫研究に広く使用されているコレラトキシン(CT)による免疫応答を比較した。 その結果、PC-KLHによって誘導される鼻粘膜のIgA応答はCTによって誘導される免疫応答よりも若干劣るものの、経鼻免疫よりも優れていた。したがって、PCをワクチンとして使用することの実用性が示唆された。なお、全身免疫応答そして膣粘膜免疫応答はCTを抗原として使用するほうが有意に優れていた。 2) ヒト口蓋扁桃リンパ球のPC特異的免疫応答 昨年度の研究で示されたIgA腎症におけるPC特異的IgA産生細胞数の増加について、引き続き症例を重ね検討した。その結果、すべてのIgA腎症で口蓋扁桃におけるPC特異的IgA応答が亢進しているのではなく、一部の症例にのみ認められる現象であることが判明した。しかし、口蓋扁桃中のPC特異的IgA産生細胞数が増加している症例は重症例であり、PCに対するIgA応答とIgA腎症の重症度との関連性が示唆された。 3) 肺炎球菌の上皮接着におけるPCの関与 肺炎球菌の接着に上皮細胞におけるPCの受容体であるPAF受容体の発現が関与することが培養細胞を用いた実験で実証された。poly-Igも受容体として重要視されているが、今回の実験ではその関与は少なかった。さらに、この細菌接着はPAF受容体を抗体処理することで抑制され、PC-PAF受容体優位に制御されていると考えられた。
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Research Products
(3 results)