2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20390448
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
寺崎 浩子 Nagoya University, 大学院・医学系研究科, 教授 (40207478)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 峰生 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (80303642)
伊藤 逸毅 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 特任准教授 (10313991)
加地 秀 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (30345904)
西口 康二 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (30447825)
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Keywords | 網膜変性 / 骨髄由来細胞 / 未熟児網膜症 / トランスジェニックウサギ / 網膜電図 |
Research Abstract |
本年度はまず、網膜変性疾患の血管・血球系と網膜神経細胞の役割および分子病態を明らかにするため、成体のマウスの正常網膜における骨髄由来の細胞の役割について骨髄移植を用いて検討した。研究の結果、少なくとも組織が完成した成体においては、骨髄由来の細胞は網膜内にほとんど存在しないことが確認された。しかし、MNUを投与し、成体マウスに網膜変性を誘発すると、多数の骨髄由来の細胞が網膜内に急速に侵入した。主な侵入経路として、網膜血管、毛様体、視神経周囲のくも膜下腔が重要であると考えられた。網膜剥離による網膜神経障害モデルにおいても同様な結果が得られた。骨髄由来の細胞の多くは、網膜に侵入後マイクログリアに分化し、免疫活動に活発に携わっていることが判明した。さらに臨床的には未熟児網膜症におけるVEGFの関与を調べる目的で、未熟児網膜症患者の前房水VEGF濃度を測定し、活動性及びstageとVEGF濃度に関連があることがわかった。さらに網膜変性症の機能的解析を行うため、中型動物モデルとして世界で初めて網膜色素変性のウサギモデル(トランスジェニックウサギ)の作成に成功した。ウサギは眼球の大きさがヒトに近いため、細胞シートの移植や人工視覚の移植実験に使える動物モデルとしても有用であると考えられた。サルを用いた実験では網膜神経節細胞起源の電位起源を含むことで知られる、photopic negative response (PhNR)の局所応答の記録に世界で初めて成功し、黄斑部におけるPhNRの分布特性を明らかにした。この電位の記録は、網膜の虚血性疾患(例えば未熟児網膜症など)の網膜内層機能の評価にも使用できると考えられた。
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Research Products
(21 results)