2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20390448
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
寺崎 浩子 Nagoya University, 大学院・医学系研究科, 教授 (40207478)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 峰生 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (80303642)
伊藤 逸毅 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 特任准教授 (10313991)
加地 秀 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (30345904)
西口 康二 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (30447825)
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Keywords | 小胞体ストレス / 骨髄幹細胞 / 加齢黄斑変性 / 未熟児網膜症 / ヘパラン硫酸 |
Research Abstract |
本年度では病的網膜血管新生の分子メカニズムと治療の可能性を明らかにするため、マウスを用いて、生理的な血管新生や高濃度酸素負荷に続発する病的な血管新生における骨髄由来細胞の関与を検討した。高濃度酸素負荷後の網膜では、一部の新生血管にGFP陽性細胞の集積があり、その多くはマイクログリアの特徴を有していたが、網膜内でも骨髄由来細胞の分布は不均一であり、骨髄由来細胞の病態への関与は大きくないと考えられた。つぎに、ヘパラン硫酸(HS)の役割について検討した結果、マウス眼内液中のHSは、器官形成期に一致して濃度が高く、未熟児網膜症など眼の器官形成期特有の病態において病的血管新生を抑制する役割を担っていることが示唆された。実際の症例において未熟児網膜症における前房水中のVEGF濃度と採取時期、stageとの関連について検討したところ、stageの進んでいる方が高く、同じstageでは採取時期が早い方が高かった。抗VEGF抗体投与後はVEGF濃度が著しい低下が確認された。さらに、培養網膜色素上皮細胞(RPE)へのアミロイドβ負荷によりVEGF産生は増加するが、小胞体ストレスを抑制する薬剤によりその抑制が可能であったことから、小胞体ストレスを標的とした薬剤が加齢黄斑変性治療のターゲットとなる可能性が考えられた。 加齢黄斑変性の発生病態を形態学的にアプローチするため、脈絡膜に焦点を当て、スペクトラルドメイン光干渉断層計を用いて、正常眼における後極の脈絡膜厚マップを作成し、その分布解析を行ったところ、視神経乳頭下方の脈絡膜が有意に菲薄であることが示された。
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Research Products
(23 results)