2009 Fiscal Year Annual Research Report
硝子体の研究:環境解析とその制御およびそれを利用した治療開発
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20390450
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
坂本 泰二 Kagoshima University, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (10235179)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸山 征郎 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (20082282)
高尾 尊身 鹿児島大学, フロンティアサイエンス研究推進センター, 教授 (80171411)
小戝 健一郎 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (90258418)
隅田 泰生 鹿児島大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (70179282)
園田 康平 九州大学, 大学病院, 講師 (10294943)
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Keywords | 硝子体細胞 / SDF-1 / 硝子体免疫 / 治療薬物 / 超音波 |
Research Abstract |
本年度は、実験動物の硝子体内の分子解析、臨床検体における硝子体内の分子解析に大きな進歩があった。従来CD9は細胞遊走の際の細胞の突起形成に重要であることが示唆されていた。CD9をsiRNAで強制消去することにより、培養血管内皮細胞の遊走のみならず増殖を抑制した。一方内皮細胞のアポトーシスも誘導した。このことに基づいて、CD9を角膜血管新生モデル、網膜下血管新生モデルにCD)siRNAを発現させることで、in vivo血管新生を有意に抑制した。このことはCD9をターゲットとした治療薬開発の可能性を示した。いっぽう、硝子体内のサンプルを200検体以上収集して解析を行った。その結果、網膜障害とIL-6は有意に相関するが、血管内皮増殖因子(VEGF)は必ずしも相関しないことが分かった。また、糖尿病網膜症などの病的硝子体には、蛋白変性を抑制する働きがあるようである。そのメカニズムに関して現在検討しているが、硝子体手術が奏功するメカニズムの解明に大きく寄与するものと期待される。さらにNon-steroidal anti-inflammatory drug(NSAID)が網膜に及ぼす影響について検討した。In vitroで網膜色素上皮細胞にNSAIDを投与すると、網膜グリア細胞、網膜色素上皮細胞のHOlが活性化して、強い細胞保護効果が得られることが分かった。NSAIDは多くの点眼薬がすでに市販されているので、これを用いることで臨床的に有意義な網膜疾患治療が可能になる。
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Research Products
(11 results)
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[Journal Article] Intraocular expression and release of high-mobility group box 1 protein in retinal detachment2009
Author(s)
Arimura N, Ki-i Y, Hashiguchi T, Kawahara K, Biswas KK, Nakamura M, Sonoda Y, Yamakiri K, Okubo A, Sakamoto T, Maruyama I.
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Journal Title
Lab Invest 89(3)
Pages: 278-289
Peer Reviewed
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