2008 Fiscal Year Annual Research Report
細胞老化とエピジェネティック変化の制御による角膜上皮細胞治療法の基盤技術の開発
Project/Area Number |
20390451
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
木下 茂 Kyoto Prefectural University of Medicine, 医学研究科, 教授 (30116024)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川崎 諭 京都府立医科大学, 医学研究科, 助教 (60347458)
稲富 勉 京都府立医科大学, 医学研究科, 助教 (00305583)
松田 彰 京都府立医科大学, 医学研究科, 助教 (00312348)
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Keywords | 細胞老化 / エピジェネティックス / 角膜上皮 / 眼表面疾患 / 移植再生医療 / 遺伝子導入 / プラスミド / レンチウイルス |
Research Abstract |
今年度は角膜上皮細胞へのプラスミドDNAの導入効率を向上させるためさまざまな条件を検討した。検討に用いた細胞はHCE-T細胞(ヒト角膜上皮細胞の不死化細胞)およびヒト角膜上皮細胞の初代培養細胞である。用いたプラスミドはGFP発現プラスミドで、蛍光顕微鏡で観察したのち、細胞を溶解してフルオロメーターにて定量した。結果として、HCE-T細胞ではRoche社のFugeneHDを使用し、24ウエル、細胞数50000個に対しFugene HDを1.875μlにプラスミドDNA750ngにて複合体を形成させた場合に最も遺伝子導入効率を高めることが可能であった。また初代培養角膜上皮細胞では磁気ビーズを用いた遺伝子導入試薬(OZ Bioscience社PolyMag)で最も良い結果が得られた。さらに興味深いことには、遺伝子導入直前にトリプシンにて短時間細胞を処理したところ、遺伝子導入効率が飛躍的に向上した。この現象は同じく上皮系細胞であるHela細胞では見られなかったことから、細胞間結合ないし細胞表面の糖衣などが示す遺伝子導入阻害作用をトリプシン処理することで減弱させることができるのではないかと考えられた。 またhTERT遺伝子を導入するために角膜上皮細胞へのレンチウイルスによる遺伝子導入条件を検討した。検討した細胞はHCE-Tで、293T細胞を使ってGFP発現レンチウイルスベクターを作成した。作成したウイルスをさまざまな条件でHCE-Tに感染させたところ、ポリブレン10μg/mlの時に最も強いGFPの発現が見られた。またPEGにてウイルスを濃縮したところ、GFPの発現が増強されhTERT遺伝子を複数コピー遺伝子導入できるほどのウイルスタイターにすることも可能であった。次年度にはこれらの予備実験結果を踏まえhTERT遺伝子の導入を試みる。
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Research Products
(3 results)