2009 Fiscal Year Annual Research Report
細胞老化とエピジェネティック変化の制御による角膜上皮細胞治療法の基盤技術の開発
Project/Area Number |
20390451
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
木下 茂 Kyoto Prefectural University of Medicine, 医学研究科, 教授 (30116024)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川崎 諭 京都府立医科大学, 医学研究科, 助教 (60347458)
松田 彰 順天堂大学, 医学部, 准教授 (00312348)
稲富 勉 京都府立医科大学, 医学研究科, 助教 (00305583)
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Keywords | 細胞老化 / エピジェネティックス / 角膜上皮 / 眼表面疾患 / 移植再生医療 |
Research Abstract |
今年度は眼表面上皮の若返りの関する基礎実験として1. NCADによる眼表面上皮ステムセルの濃縮と2. p16経路とp53経路による細胞周期停止を抑制するSV40 large T抗原の影響を検討した。また現時点ではプラスミドによる遺伝子導入効率はプライマリーの角膜上皮細胞ではあまり高いとは言えず、遺伝子導入実験はレンチウイルスにて行った。また前年度クローニングできなかったhTERT遺伝子であるが、open biosystemsのライブラリに新規登録されていたため、これをPCRにてレンチウイルスベクターにクローニングした。NCADによるマグネティックソーティングにて眼表面上皮細胞のなかで増殖能の高い細胞集団を濃縮できた。これらについてPD解析を行ったが、無血清培地では3経代程度で細胞は平坦で大きくなるとともに角は小さくなり老化形質を示した。これにSV40 large T抗原をレンチウイルスベクターにて遺伝子導入したところ、細胞増殖能が著明に亢進した。しかしPD解析を行ったところ、10経代程度でやはり老化形質を示した。hTERT遺伝子の発現を見ても、不死化細胞のそれに比べ1/20程度しか発現しておらず、SV40 large T抗原は確かに眼表面上皮のpremature senescenceをバイパスするが、テロメアの短縮に伴うsecond crisisはバイパスできないことがわかった。これについては恐らくhTERT遺伝子が重要と考えられる。よってプラスミドの導入による細胞の若返りについてもこの2点を克服することが重要であることがわかった。hTERT発現レンチウイルスのクローニングは終了しており、来意年度はこれらを用いてSV40 large T抗原とhTERT遺伝子にて眼表面上皮細胞の不死化可能性について検討する予定である。これらが可能となれば、それらの一過性発現系にて眼表面上皮の若返りが実現可能と予測している。
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Research Products
(3 results)