2010 Fiscal Year Annual Research Report
浸潤型ケロイド細胞は存在するのか!ー効率的なケロイド治療を目指してー
Project/Area Number |
20390454
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
林 利彦 北海道大学, 北海道大学病院, 助教 (00432146)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 有平 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (70271674)
古川 洋志 北海道大学, 大学院・医学研究科, 講師 (00399924)
小山 明彦 北海道大学, 病院, 講師 (70374486)
舟山 恵美 北海道大学, 大学院・医学研究科, 助教 (10533630)
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Keywords | ケロイド / ケロイド線維芽細胞 / 免疫細胞 / 共培養 |
Research Abstract |
Tリンパ球存在下でのケロイド皮膚線維芽細胞、正常皮膚線維芽細胞の細胞増殖、I型コラーゲン産生、TGF-β発現、α-SMA、発現について種々の条件で、MTSアッセイ、ウェスタンブロット、リアルタイムRT-PCR等の方法で検証した。Tリンパ球と線維芽細胞の共培養の方法として、同一シャーレ内での直接共培養法、または透過性メンブレンで仕切られたダブルチャンバーにそれぞれTリンパ球と線維芽細胞を培養する間接共培養法を選択した。 ケロイド患者由来Tリンパ球/ケロイド線維芽細胞、非ケロイド患者由来Tリンパ球/正常皮膚線維芽細胞の組み合わせの共培養を行い比較した。リアルタイムRT-PCRにおいてケロイド共培養群、正常共培養群共に線維芽細胞のI型コラーゲン産生が低下する傾向が見られた。 また、ケロイド線維芽細胞、正常皮膚線維芽細胞と非ケロイド患者由来Tリンパ球またはMOLT4リンパ球(成人T細胞白血病由来Tリンパ球)との共培養も実施した。MTSアッセイにおいて、MOLT4リンパ球存在下でケロイド線維芽細胞、正常線維芽細胞ともに細胞増殖が増加する傾向があったが両者間で明確な有意差はなかった,ウェスタンブロットにおいてMOLT4リンパ球存在下でケロイド線維芽細胞のα-SMA発現の低下が見られた。 これらの結果からTリンパ球の存在がケロイド線維芽細胞の細胞動態に寄与する可能性が示唆された。一方で、Tリンパ球が周囲に存在し線維芽細胞のI型コラーゲン産生、TGF-β発現、α-SMA発現が高まったケロイド局所の病態を再現するには、さらにいくつかのステップが存在する可能性が考えられた。
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Research Products
(2 results)