2008 Fiscal Year Annual Research Report
病院外心原性心停止患者における心室細動波形を用いた除細動成否の指標に関する研究
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20390458
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
遠藤 裕 Niigata University, 医歯学系, 教授 (90168831)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大橋 さとみ 新潟大学, 医歯学系, 講師 (00313510)
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Keywords | 院外心停止 / 心室細動 / 心電図 / 電気的除細動 |
Research Abstract |
(1)新潟県メディカルコントロール協議会の承認のもと、新潟県における成人の病院外心停止症例において、救急隊員により電気的除細動が施行された心室細動症例の自動体外式除細動器(AED)内に自動的に保存された心電図波形を集積した(現在110症例)。 (2)Viewerソフトで、各症例における除細動が成否を判断(判断基準は除細動施行後5秒以内に少なくとも同じ形状のQRSが2個認めた場合に成功例、これ以外は不成功例)、除細動施行直前5.12秒の心電図波形(心室細動波形)を選択、エクセルデータに変換した(最終的に除細動不成功127エピソードと除細動成功45エピソードに分類した)。 (3)上記除細動施行直前5.2秒の心室細動波形に対して、周波数解析(ピーク周波数、中間周波数、周波数比、AMSA)、非線形解析(近似エントロピー、順列エントロピー、Detrended Fluctuation Analysis(DFA)、フラクタル次元)を行い、除細動の成否について差違があるかを検討した。 (4)さらに、除細動施行前1秒前の心室細動波形に対して、連続ウェーブレット変換を行い、1〜3Hz、3〜10Hz、10〜30Hzのパワーを算出、除細動の成否について差違があるかを検討した。 (5)除細動成否に関して有意な差を認めた解析項目は、ピーク周波数、中間周波数、周波数比、AMSA、近似エントロピー、DFA、フラクタル次元、3〜10Hzのパワー、10〜30Hzのパワーであった(P<0.001)。 (6)上記9解析項目について、Logistic Regression Analysisを行つたところ、周波数比、DFA、3〜10Hzのパワーが有意な除細動成否の因子であることが判明した。以上の結果から、例えば、DFAが0.1単位増加すると除細動が成功する可能性が46%減少、逆に3〜10Hzのパワーが500単位増加すると除細動が成功する可能性が13%増加することが判明した。
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Research Products
(3 results)