2009 Fiscal Year Annual Research Report
急性肺損傷の細胞内シグナルパスウェイ/遺伝子ネットワーク解析と治療に向けた研究
Project/Area Number |
20390459
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
倉橋 清泰 Yokohama City University, 医学部, 准教授 (50234539)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢澤 卓也 横浜市立大学, 医学研究科, 准教授 (50251054)
平井 豊博 京都大学, 医学研究科, 助教 (20359805)
馬場 靖子 横浜市立大学, 医学部, 助教 (80453041)
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Keywords | リポポリサッカライド(LPS) / FasL / 急性肺損傷 / トール様受容体 / アポトーシス / サイトカイン / MAPK |
Research Abstract |
マウス肺上皮細胞のcell line、 MLE 15のモノレイヤーにFasLおよびLPSを暴露させたところ、LPS単独によりMLE 15からのIL-6、 MIP-2、およびKC産生が増加した。FasLもその作用はLPSよりも弱いながら認められた。LPSとFaSLをMLE15に同時に作用させると、サイトカイン産生が相乗的に増加した。 一方、アポトーシス誘導の細胞内経路にあるカスパーゼ3/7活性は、FasLにより増加したが、LPSにはその作用がなかった。さらに、FasLとLPSを同時に作用させると、LPSはFasLにより増加するカスパーゼ3/7活性を抑制する作用があることがわかった。これらのことから、TLR4とFasとの細胞内シグナルパスウェーに何らかの関連があることが示唆された。 別のマウス肺上皮細胞のcell lineであるMLE12にLPSを暴露した場合、MLE15に比べて100倍近く高い濃度のLPSに暴露してはじめてMLE15と同程度のサイトカインを産生した。この違いを検討するため、細胞表面のToll like receptor 4 (TLR4)を調べたところ、MLE15は陽性であったが、MLE12は陰性であった。 そこで、MLE12にTLR4を遺伝子導入し、同様にLPSに暴露したところ、この細胞はMLE15に匹敵する感受性を獲得していた。以上より、肺上皮細胞のLPS感受性は、細胞膜表面のTLR4の有無に依存することが示唆された。
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Research Products
(2 results)