2008 Fiscal Year Annual Research Report
循環管理を支援する自動治療システムを臨床実用化するための研究
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20390462
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
神谷 厚範 National Cardiovascular Center Research Institute, 循環動態機能部, 室員 (30324370)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上村 和紀 国立循環器病センター(研究所), 循環動態機能部, 室員 (10344350)
杉町 勝 国立循環器病センター(研究所), 循環動態機能部, 部長 (40250261)
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Keywords | 循環 / 心不全 / 左心房圧 / 肺動脈圧 / 右心房圧 / 自動治療 / 医工学 |
Research Abstract |
閉胸下臨床現場における循環動態の自動薬物治療システムを開発するには、まず、閉胸下において左心房圧を連続推定する方法を開発する必要がある。そこでまず、様々な循環動態(左室・右室不全等)における肺動脈圧-左心房圧関係を、コンピューターシミュレーションで調べ、この圧関係がおよそ線形一次式で近似できるがことを示した。次に、動物実験において、肺動脈圧連続値と左心房圧連続値の関係を実測し、これが実際に線形1次相関することを明らかにした。これを基に、間歇的な肺動脈楔入圧測定(スワンガンツカテーテル)より肺動脈圧-左心房圧関係を個体において求めて推定式(1次式)を決定し、肺動脈楔入圧の測定していない時間帯にはこの推定式を用いて肺動脈圧連続値から左心房圧を連続推定する論理の、左心房圧推定装置を開発した。時間経過や病態変化によって肺動脈圧-左心房圧関係が変化する可能性があるが、30分毎に肺動脈楔入圧を測定して肺動脈圧-左心房圧関係の推定式を更新した所、時間や病態変化に適応することができ、数時間に渡って推定精度を高く保持できた。一方、さらなるシステムの身体低侵襲化を図るため、スワンガンツカテーテルを用いない右心房圧からの左心房圧連則推定にも取組んだ所、左心と右心のポンプ機能の比が一定な状況では右心房圧-左心房圧の線形一次関係はおよそ一定であり、右心房圧連続値からも左心房圧を連続的に推定可能であったが、一方、左右の心ポンプ機能比が変化すると、圧関係式が変化し左心房圧推定の精度が大きく低下した。臨床現場では左右の心ポンプ機能比が変化するような病態変化があり得るため、右心房圧からではなく、肺動脈圧からの左心房圧連続推定の方が安全だと考えられた。
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Research Products
(3 results)