2010 Fiscal Year Annual Research Report
おとり遺伝子を用いた腫瘍血管新生抑制による純国産型遺伝子治療法の開発
Project/Area Number |
20390478
|
Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
石橋 浩晃 島根大学, 医学部, 准教授 (90254630)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
関根 浄治 島根大学, 医学部, 教授 (20236095)
成相 義樹 島根大学, 医学部, 講師 (60333465)
|
Keywords | 口腔がん / 血管新生 / 遺伝子治療 |
Research Abstract |
腫瘍組織への遺伝子導入,すなわちin vivoでの至適導入条件を確立することが必須である.そこで,ヌードマウスに実験的腫瘍を作成すると同時に,腫瘍組織にける至適導入条件を確立した. 1)実験的腫瘍の形成 ヌードマウスの背部皮下組織に培養口腔扁平上皮癌細胞を注射し,安定した実験的腫瘍の形成条件を確立した.また,腫瘍組織における血管新生因子群の発現状況や転写因子の活性を検証し,おとり遺伝子の標的となる転写因子を検索した. 2)HVJ-リポソーム法による遺伝子導入条件の確立 ヌードマウスの背部皮下に形成した実験的腫瘍に,HVJ-リポソームを用いてルシフェラーゼ発現プラスミドやFITC標識したお取り遺伝子を導入し,導入効率の高い条件を検索して,遺伝子の至適導入条件を確立した. 3)副作用の観察 HVJ-リポソームを用いた遺伝子導入ではHVJ(センダイウイルス)をベクターとした.HVJは,ヒトに対する病原性は全く報告されていない.さらに,本法では遺伝子導入前にHVJに紫外線を照射しゲノムRNAを断片化させ,ウイルスとしての生理活性を完全に消滅させて用いる.従って,既知の知見ではHVJ-リポソーム法は極めて安全なウイルスベクターによる遺伝子導入といえる.しかし,臨床応用にむけて副作用が皆無であることや予想しえない副作用について動物実験により検討した.
|