2008 Fiscal Year Annual Research Report
口腔癌に対する低酸素標的療法を組み入れた化学・放射線治療の基礎的・臨床的検討
Project/Area Number |
20390480
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
山本 哲也 Kochi University, 教育研究部医療学系, 教授 (00200824)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
植田 栄作 高知大学, 教育研究部医療学系, 講師 (10203431)
立石 善久 高知大学, 教育研究部医療学系, 助教 (20372732)
佐竹 秀太 高知大学, 教育研究部医療学系, 助教 (10304685)
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Keywords | 口腔扁平上皮癌 / 低酸素 / Hypoxia-inducible factor-1 / 放射線感受性 / 薬剤耐性 / 活性酸素 |
Research Abstract |
化学・放射線治療において耐性克服は重要な点であり、その耐性には低酸素が重要な役割を果たしている。そこで、低酸素標的薬である17-AAGあるいはWortmanninのHIF-1αの発現および活性に及ぼす影響を検討するとともに、両剤と化学・放射線療法との併用効果について検討し、以下の結果を得た。 1)定常酸素分圧(20%O_2)および低酸素分圧(1%O_2)下で培養したOSC細胞をHsp90阻害剤(17-AAG)あるいはPI-3K阻害剤(Wortmannin)で処理すると、いずれの条件下においてもHIF-1αとpVHLとの会合およびHIF-1αのユビキチン化が促進するとともにHIF-1αの蛋白レベルが低下した。 2)17-AAGおよびWortmannlnで処理することにより低酸素分圧下におけるHIF-1αの転写活性は低下し、HIF-1αの標的遺伝子である血管内皮増殖因子(VEGF)、P糖蛋白、Hemeoxygenase-1およびCeruloplasmlnのmRNAおよび蛋白発現も低下した。 3)定常状態および低酸素条件下で培養したHIF-1α高発現株(OSC-5)および低発現株(OSC-2)を、17-AAGあるいはWortmanninの存在下に5-FU、CDDP、あるいはγ線で処理すると、17-AAGあるいはWbrtmanninの非存在下に比べ、細胞増殖がより強く抑制されるとともに、アポトーシスがより強く誘導された。 これらの結果はHIF-1αの抑制はOSC細胞の化学・放射線療法に対する感受性を増強することを示唆しており、現在、臨床応用可能な低酸素標的薬であるニトログリセリンの効果をマウスモデルならびに臨床において検討している。
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Research Products
(6 results)