2010 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトフォスフォフォリン由来RGD含有ペプチドを用いた新しいう蝕治療材料の開発
Project/Area Number |
20390484
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
斎藤 隆史 北海道医療大学, 歯学部, 教授 (40265070)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安田 善之 北海道医療大学, 歯学部, 准教授 (80405670)
伊藤 修一 北海道医療大学, 歯学部, 講師 (50382495)
半田 慶介 北海道医療大学, 歯学部, 講師 (40433429)
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Keywords | フォスフォフォリン / RGD / 合成ペプチド / 覆髄処置 / 象牙質再生 / う蝕治療 |
Research Abstract |
本研究の目的は、象牙質誘導活性を保持したフォスフォフォリン(象牙質リンタンパク質)のN末端に存在しRGD配列を含む合成ペプチドを合成し、さらに、担体として生体親和性を有するI型コラーゲンのリコンビナント体を使用することにより高品質で安全性の高い新しい深在性う蝕治療材料および治療法の確立をめざすことである。平成22年度は、前年度に引き続き、in vitro細胞培養実験を実施するとともに、ブタ由来フォスフォフォリン・I型コラーゲン複合体の作製、およびヒトフォスフォフォリンのN末端に存在しRGD配列を含む生物活性を有する3種類のRGD含有合成ペプチドを作製して研究に用いた。これらの複合体およびペプチドをラットおよびイヌ歯に移植して1~4週および2ヶ月後に抜歯して、病理組織学的解析あるいは電子顕微鏡による微細構造解析により本複合体の象牙質誘導活性を確認した。その結果、まずブタ由来フォスフォフォリン・I型コラーゲン複合体の高い象牙質誘導活性を再確認するとともに、誘導された修復象牙質の高い緻密性について明らかにした。さらに、ヒトフォスフォフォリンのN末端に存在しRGD配列を含む合成ペプチドの場合、実験に用いたペプチド全て(Peptide I~III)に象牙質誘導活性が認められ、その中でもPeptide Iが緻密性の高い修復象牙質を多量に誘導しており、これまでに報告したin vitro実験系における結果を裏付ける結果が得られた。今後さらに、複合体等の形状、操作性に関して規格化を行い、実用化を目指す予定である。
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