2010 Fiscal Year Annual Research Report
湿潤効果とナノ複合化光触媒機能を有するドライマウス用抗菌性軟質リライン材の開発
Project/Area Number |
20390491
|
Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
村田 比呂司 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (40229993)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鳥巣 哲朗 長崎大学, 大学病院, 講師 (80264258)
黒木 唯文 長崎大学, 大学病院, 助教 (70404225)
洪 光 東北大学, 大学院・歯学研究科, 助教 (70363083)
|
Keywords | 歯学 / 補綴用材料 / リライン材 / ドライマウス / レオロジー / 動的粘弾性 / 光触媒 / 粘度 |
Research Abstract |
高齢者ではドライマウスを有し、口渇感、口腔内の粘着感、口内炎、会話障害等を訴えるものが多い。このような患者はカンジダや細菌の感染も生じやすい。また高度に顎堤が吸収し、義歯床下粘膜の被圧縮性が低下していることも多い。このような症例では正しく作製された義歯を装着しても義歯床下粘膜に褥瘡性潰瘍を生じ、咀嚼時疼痛を引き起こす。これらの問題に対処するため、湿潤効果とナノ複合化光触媒機能を有するドライマウス用抗菌性軟質リライン材の開発に着手した。 初年度は軟質リライン材や義歯安定剤の動的粘弾性測定や粘度測定の条件の決定を行い、主としてアクリル系リライン材の基本的な液組成であるメチルメタクリレートとエチレングリコールジメタクリレートの混合液および粉末としてポリエチルメタクリレートを用いた材料について、種々の物性を評価した。平成21年度は架橋構造を有しないアクリルゲルの軟質リライン材を対象に、レオロジー的性質の解析を中心に実験を行った。 平成22年度は上述した初年度および21年度の研究結果を踏まえ、光触媒の効果および保湿剤の効果、ポリエチルメタクリレートを主成分としたアクリル系軟質リライン材のモノマーの種類(2-HEMA,MMA,EMA,i-BMA,2-EHMA)と各種レオロジー的性質(硬化中および硬化後の動的粘弾性、ガラス転移点)との関係に関する研究を中心に行った。また軟質リライン材の管理に重要な義歯洗浄剤との適合性および本材の細胞毒性についての検討も行った。これらの成果の一部は、日本補綴歯科学会、日本歯科理工学会などで発表し、またDental Materials Journalなどの国際誌に掲載された。現在、本研究で得られた未発表データーをまとめ、学会発表および誌上発表の準備を進めているところである。
|
Research Products
(16 results)