2008 Fiscal Year Annual Research Report
新しい生体吸収性マグネシウム合金を利用した複合機能性医用材料の開発と応用
Project/Area Number |
20390496
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
清水 良央 Tohoku University, 大学院・歯学研究科, 助教 (30302152)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
向井 敏司 独立行政法人物質・材料研究機構, 新構造材料センター, グループリーダー (40254429)
山本 玲子 独立行政法人物質・材料研究機構, 生体材料センター, グループリーダー (20343882)
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Keywords | 生体吸収性材料 / 動物実験 / 生体内埋入 / マイクロCT |
Research Abstract |
平成20年度は、開発合金の生体内挙動について動物実験を行って検討をした。生体内での挙動については合金の組成により腐食速度、ガス発生、吸収速度、組織反応などに違いがあることが予測され、既存の工業用マグネシウム合金を含めて組成の異なる合金の種類による違いについて検討した。実験にはラットを用い、ラット脛骨骨膜下に大きさ1×2×10mmの合金を埋入して経時的に観察した。観察方法は、主としてマイクロCTを用い、ガス発生量、合金の吸収量を画像解析ソフトを用いて計測した。結果は、埋入部は、一部の合金で肉眼的にガス発生に伴う腫脹がみられた。しかし発赤などの著明な炎症所見はみられなかった。合金は、徐々に表面にて不規則に腐食、崩壊がみられた。また一部最表層に腐食生成物と思われるX線不透過性の層がみられた。ガスは材料周囲に大きい物は単膨性または多膨性にみられたが、少ない物は合金と組織の間にわずかな隙間が観察される程度であった。合金の種類の違いにより、吸収とガス発生は異なる挙動を示した。吸収は速いものでは1か月程度で半分以上吸収されるが、吸収が遅い合金は、4か月後もあまり吸収が進んでいなかった。さらにガス発生の著明な合金ほど腐食、吸収速度が速く、ガス発生量は、吸収速度の調整によって制御できると考えられた。また今回の症例の中には、合金近傍の脛骨骨面に著明な骨形成を認める症例もあり、マグネシウムの吸収に伴う骨形成効果について今後別の実験系の条件、方法について参考になった。
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