2010 Fiscal Year Annual Research Report
骨再生歯科治療への応用を目的としたナノポーラスファイバーシートの創製
Project/Area Number |
20390497
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
春日 敏宏 名古屋工業大学, 工学研究科, 教授 (30233729)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伴 清治 愛知学院大学, 歯学部, 非常勤講師 (10159105)
小幡 亜希子 名古屋工業大学, 工学研究科, 助教 (40402656)
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Keywords | 骨再生誘導法 / 炭酸カルシウム / ポリ乳酸 / アパタイト / エレクトロスピニング / ナノポーラスファイバー / 不織布 / 歯科治療 |
Research Abstract |
ケイ素含有バテライト粒子を10~60%まで変化させて作製したポリ乳酸複合材料不織布(SiPVH)では、40%以上で脆性的となり、30%で最も高い機械的引張強度を示した。引張によるエネルギーは粒子周りにわずかな体積膨張を引き起こし、高強度化したと思われる。バテライト30%の複合材料でも擬似体液中で繊維上にアパタイトが生成することを確認した。しかし、20%ではその生成は極めて遅かった。 柔軟性をあげるため、ポリ乳酸に変えてポリ乳酸/グリコール酸共重合体を用いて複合材料を作製したところ、作製まま材の伸びについては飛躍的に向上したものの、擬似体液浸漬3日で脆化に転じ、強度も著しく低下した。分子量の急速な低下が原因と考えられた。したがって、ポリ乳酸を用いることが最も好ましいと考え、SiPVH中のポリ乳酸の分子量を調べたところ、ゆっくりとした低下傾向が示され、好ましい生分解性を示すと期待された。 細胞培養試験により、繊維上での細胞接着は繊維同士のクロスリンクポイント周辺から始まる傾向が見られた。また、意図的に部分的にプレスして繊維間の空隙を塞ぐと、その部分での細胞の接着・増殖は抑えられたが、その周辺の空隙部分では旺盛な増殖が見られるようになった。部分的にこのようなプレスポイントを作ることで細胞の挙動を制御できる可能性が示された。 そこでプレスポイントを導入したGBR膜を作製した。広い繊維間隙を有するSiPVH不織布と、軟組織など骨形成に寄与しない細胞の侵入を抑制する機能および機械的強度の付与を目的とした繊維間隙の狭いポリ乳酸不織布を局所的なホットプレスにて合着して二層構造膜とし、十分な引張強度も確保した。家兎を用いた動物実験の結果、骨欠損部への軟組織など骨形成に寄与しない細胞の侵入は観察されなかった。繊維表面にアパタイトを析出させたSiPVH層内にて石灰化組織の増加が観察された。
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Research Products
(48 results)