2010 Fiscal Year Annual Research Report
新規多糖誘導体リン酸化プルランによるチタンインプラント周囲組織の再生促進
Project/Area Number |
20390498
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
鈴木 一臣 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (30050058)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
入江 正郎 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (90105594)
田仲 持郎 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (40171764)
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Keywords | インプラント / チタン / 表面処理 / 骨伝導 / 上部構造体 / 適合性 / 接着材 / 被膜強さ |
Research Abstract |
緒言:人工歯根としてアルミナ単結晶、アパタイト焼結体およびチタン合金等が知られているが、これらのインプラント体では骨の誘導を促すことは難しい。そこで、我々は高機能のインプラント開発の一環として多糖誘導体リン酸化プルランを合成し、チタンの表面処理を行って各種骨系細胞による細胞接着・増殖実験および動物実験から組織学的検討することを目的とした。他方、インプラント治療の成否には、上部構造体の材質およびアバットメントとの適合性や接着システムが重要となることから、これらについても併せて検討した。 材料および方法:1)リン酸化プルランの合成は、前年度本実績報告書に従った。2)骨系細胞による細胞接着・増殖実験は、MEK/ERK阻害剤の影響をMC3T-E1細胞を用いて行った。3)動物実験は、リン酸化プルラン処理したインプラントをWister系ラット脛骨に埋入し、2週間後の骨造成を組織学的に観察した。4)インプラント上部構造体の接着法は、UDMAとメタクリロイルシスチンから成る接着材を試作し、その初期および熱負荷後の引張り接着強さを測定した。 結果および考察:1)MC3T3-E1細胞の増殖試験は、細胞播種後1.2.3日後においてリン酸化プルラン処理を行った方が有意に高い増殖反応を示し、最大で1.65倍(p<0.05)に達した。2)チタンインプラント埋入2週間後の組織像において、リン酸化プルラン処理によりチタン表面における新生骨の形成が促進された。また、インプラント体表面の骨接触率もリン酸化プルラン処理(79.9%)がコントロール(60.8%)に比較して高い。3)インプラント上部構造体の接着における試作接着材の性能は、金銀パラジウム合金に対して22.4MPa(SD:1.8)の接着強さを示し、5-55℃熱負荷2万回においても10%の低下にとどまった。これは、システィン基と貴金属との相互作用によるものと考えている。
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Research Products
(4 results)