2010 Fiscal Year Annual Research Report
歯髄マーカーを用いた他組織幹細胞から歯髄幹細胞への形質転換の証明
Project/Area Number |
20390504
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Research Institution | National Institute for Longevity Sciences,NCGG |
Principal Investigator |
中島 美砂子 独立行政法人国立長寿医療研究センター, 口腔疾患研究部, 室長 (20207773)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
庵原 耕一郎 独立行政法人国立長寿医療研究センター, 口腔疾患研究部, 研究員 (60435865)
渡邉 淳 独立行政法人国立長寿医療研究センター, 共同利用推進室, 室長 (90321843)
中村 洋 愛知学院大学, 歯学部, 教授 (40064878)
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Keywords | 歯髄マーカー / 歯髄再生 / プロテオーム / 歯髄幹細胞 / 組織幹細胞 |
Research Abstract |
本研究は、歯髄幹細胞および他組織の幹細胞の差次的プロテオミクスによる網羅的な蛋白質解析により、歯髄幹細胞に特異的なマーカーを得ることを目的とする。これにより、他の組織幹細胞から歯髄幹細胞を誘導し、安全で侵襲性なく象牙質・歯髄再生のための幹細胞源を得る新しい方法を確立する。まず、同意を得たヒト抜去歯髄組織から歯髄細胞を分散させ、フローサイトメトリーにてCD105^+細胞を分取した。また、市販のヒト骨髄細胞およびヒト羊膜間葉系幹細胞から、同様に骨髄CD105^+細胞および羊膜CD105^+細胞を分取した。その3種の細胞からそれぞれ蛋白質を溶出し、二次元電気泳動し、銀染色後、パターンを比較し、歯髄幹細胞に特異的なスポット9個を切り出し、還元アルキル化を行った後、トリプシン消化を行った。得られたペプチドはnano-LC/MS/MSを用いてショットガン法により解析した。得られた結果はヒトデータベースを用いて歯髄幹細胞に特異的なマーカーの検索を行ない、免疫抑制タンパク群のひとつであるFK506 binding proteinならびに中間径フィラメントに類似するunnamed protein productを検出した。後者は遺伝子データベースによりVimentinであることが判明した。市販のヒト全身主要18組織および胎児由来2組織における発現と比較して、歯髄組織において最も高いmRNA発現がみられた。ついで、正常歯髄組織におけるVimentinの発現を免疫染色により検討したところ、間質の歯髄細胞に強い発現がみられたが、歯根膜組織ではその発現が弱かった。よって、イヌ抜髄後歯髄、骨髄、脂肪幹細胞を根管内に移植した後の再生組織においてVimentinを免疫染色で検討したところ、いずれの場合もほぼ同様の発現パターンがみられた。よって、Vimentinの歯髄マーカーとしての有用性が示唆された。
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Research Products
(19 results)