2010 Fiscal Year Annual Research Report
がん微小環境に着目した新たな腫瘍血管新生阻害療法の開発
Project/Area Number |
20390506
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
樋田 京子 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 特任准教授 (40399952)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
進藤 正信 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (20162802)
戸塚 靖則 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (00109456)
東野 史裕 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 准教授 (50301891)
樋田 泰浩 北海道大学, 病院, 講師 (30399919)
北村 哲也 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助教 (00451451)
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Keywords | 血管新生阻害 / 腫瘍 / 微小環境 / 血管内皮 |
Research Abstract |
平成22年度はそれまでに明らかになったTumor EC特異マーカーのうち,それらの中和抗体,またはシグナル伝達をブロックするkinase inhibitorなどすでに薬剤として使用可能なものからマウス腫瘍モデルを用いて,腫瘍血管新生阻害効果を解析する.実際には腫瘍血管内皮で発現が元進しているLOXの阻害剤などを用いて血管新生とともに腫瘍の増殖が抑制されることを見出した. また,血液中の循環Tumor ECにおいて発現しているマーカーを検出する系を立ち上げた.また,腫瘍血管内皮細胞特異マーカーのうち,分泌蛋白は血清の腫瘍マーカーとして有用と考えられることから一部のマーカー,biglycanについてwestern blottingによって血中における検出もこころみた.現在がんの悪性度との関連について検討をおこなった. さらにTumor ECにおいて特異的遺伝子発現が亢進する遺伝子を発現するメカニズムの1つとして,腫瘍細胞と内皮細胞との相互作用による可能性を考え,その機序にを明らかにするための研究も行った.具体的にはがん細胞の培養上清による処理,またはがん細胞との共培養によって,Normal ECにTumor EC特異マーカーの発現亢進がおきるのかをreal time PCRで検討した.その結果がんの培養上清によって正常血管内皮細胞のgrowth factorの受容体の発現やVEGF,SDF1などのサイトカインの発現レベルが上昇すること,さらに正常血管内皮細胞の生存能の元進も見出した.腫瘍血管内皮細胞の特異マーカー発現のメカニズムにがん細胞からの因子によるのではないかということが示唆された.
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