2008 Fiscal Year Annual Research Report
口蓋裂発症の過程におけるソニックヘッジホッグシグナルの関与
Project/Area Number |
20390510
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
井関 祥子 Tokyo Medical and Dental University, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (80251544)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
天笠 光雄 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (00014332)
須田 直人 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 講師 (90302885)
佐藤 豊 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教 (90361716)
太田 正人 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教 (70313228)
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Keywords | Shh / 組織特異的エンハンサー / 口蓋裂 / 舌 |
Research Abstract |
マウス発生過程において、ソニックヘッジホッグ(Shh)遺伝子の咽頭領域特異的な発現を制御する組織特異的エンハンサーMFCS4の欠失マウスと、Shhコーディング領域欠失マウスのコンパウンドヘテロ、MFCS4+/-;Shh+/-では、100%の確率で口蓋裂が生じる。二次口蓋の発生は、上顎突起より出現した口蓋突起が発生中の舌に沿って垂直方向に成長し、その後この口蓋突起が水平転位を起こして正中で癒合し、完結する。組織学的観察によって、このMFCS4+/-;Shh+/-では水平転位が阻害されていることが明らかとなった。これについて、突起自身の転位力、もしくは吸畷運動などによる水平転位を補助する舌の低位のどちらに原因があるかを検討すると、舌の低位が起きていない可能性が示唆された。これは通常の組織切片における舌筋の低形成が認められたことから支持された。 MFCS4+/-;Shh+/-マウスの咽頭領域におけるShhの発現量を検討するために、半定量的in situ hybridization法を確立した。コントロールとなるベータアクチンの発現を検討し、次にShhおよびその下流遺伝子であるGli1のプローブをcDNAで用意し、それぞれin situ hybridizationを野生型胎児で行ったところ、Gli1プローブは機能せず、非特異的なシグナルのみが認められた。これより、Shhの反応遺伝子としてPatched1の発現を検討することとした。 ヒトMFCS4領域の遺伝子配列について唇顎口蓋裂を持たない群で検討したところ、これまでに報告されている一塩基多型以外に新たな一塩基多型が存在することが明らかとなった。
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Research Products
(2 results)