2008 Fiscal Year Annual Research Report
細胞分裂制御遺伝子CHFRの機能解明および口腔癌の診断・分子標的薬の開発への応用
Project/Area Number |
20390519
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
時野 隆至 Sapporo Medical University, 医学部, 教授 (40202197)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平塚 博義 札幌医科大学, 医学部, 教授 (50165180)
荻 和弘 札幌医科大学, 医学部, 助教 (40433114)
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Keywords | 薬剤感受性 / 細胞周期 / ユビキチンリガーゼ / チェックポイント / トランスレーショナルリサーチ |
Research Abstract |
ヒト癌細胞において分裂期チェックポイントに関与するCHFR遺伝子制御領域のDNAメチル化および発現消失が高頻度に見出されている。さらに、CHFR発現消失した腫瘍細胞はタキサン系微小管阻害剤に対する感受性が高いことを既に報告した。 本年度は、CHFRノックアウトマウスの分子生物学的、細胞生物学的解析を行った。 1.CHFRノックアウトマウスを作成した。CHFR(-/-)マウスは正常に発生し、CHFRは個体の発生には必須でないことが示唆された。 2.CHFR(-/-)マウス由来線維芽細胞では、タキサン系微小管阻害剤処理に高感受性を示すことを再確認した。CBFR(-/-)マウス由来線維芽細胞は、docetaxel処理により、8n細胞の出現、アポトーシスの増強を認め、CHFRが染色体の安定性維持に重要であることを明らかにした。さらに、CHFR(-/-)マウス由来の線維芽細胞において、CHFR E3ユビキチンリガーゼ活性欠損により、基質として既に知られているPlk-1およびAurora Aがタンパクレベルで増強していることを確認し、この動物モデルの有用性を明らかにした。 3.CHFR(-/-)マウス由来細胞ではCHFRの基質となるタンパク質のユビキチン化が起こらず細胞内に蓄積していると考えられ、正常マウス由来細胞をコントロールにして網羅的プロテオミクス解析を行い、CHFRにより分解を受ける基質タンパクの同定を進行中である。さらに、cDNAマイクロアレイを利用して遺伝子発現プロファイルを比較し、CHFRが深く関与するシグナル経路を同定した。 4.作成したCHFRノックアウトマウスをバッククロスにより、C57B6のバックグラウンドを持ったヘテロ欠失マウスを作製中である。その後,個体における機能解析や発がんにおける役割の解析を行う予定である。
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