2009 Fiscal Year Annual Research Report
口唇口蓋裂をモデルとした音声言語の生成、障害および可塑性のメカニズムの解明
Project/Area Number |
20390521
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
小野 卓史 Tokyo Medical and Dental University, 医歯学総合研究科, 教授 (30221857)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
誉田 栄一 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (30192321)
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Keywords | 口唇口蓋裂 / 構音障害 / 破裂音 / MRI movie / 代償性構音 / 重心 |
Research Abstract |
/pa/および/ka/は、ともに無声破裂音であるが、構音点は異なる。すなわち、前者は両唇音であり、後者は軟口蓋音である。そこで、本研究は異なる構音点を有する破裂音発音時における構音器官運動の差異を比較することを目的とした。健常成人10名を被験者とした。構音運動時の構音器官の動きは我々の先行研究(Inoue et al., Orthod Craniofac Res.2006 ; 9 : 157-62 ; Angle Orthod. 2007 ; 77 : 612-8 ; Sato-Wakabayashi et al., Cleft Palate Craniofac J.2008 ; 45 : 309-14)で開発した磁気共鳴画像動画法(MRI movie)を用いた。MRI装置を駆動する信号を同時に被験者に与え、発語のタイミングを同期させた。被験者は両唇音と軟口蓋音を繰り返し発語し、正中矢状面で撮像を行った。いくつかの距離計測および角度計測項目を設定し、それぞれの構音器官の動きならびに構音器官間の位置の時間的変化を解析した。その結果、構音点の違いに依存した構音器官運動が観察された。さらに、軟口蓋の動きは、両唇音発音時においては上下唇および舌前方部と密接な時間関係を示したが、軟口蓋発音時においては舌後方部と密接な時間関係を示した。以上の結果から、構音器官はユニットとしての活動を示し、その活動パタンは構音点と密接な関係があることが示唆された。本研究結果は、健常者から得られた基礎データであり、今後は構音障害を有する口唇口蓋裂(CLP)患者のデータを採得し比較解析する予定である。
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Research Products
(11 results)