2010 Fiscal Year Annual Research Report
外因刺激に対する下顎頭軟骨各層の応答と進行性下顎頭吸収との関わり
Project/Area Number |
20390523
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
丹根 一夫 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (30159032)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷本 幸太郎 広島大学, 病院, 講師 (20322240)
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Keywords | Superficial zone protein / 下顎頭 / 軟骨 / 成長因子 / サイトカイン |
Research Abstract |
本年度は、SZPの関節における機能解析として、外因刺激に対するSZPの防御機能およびSZPと他の軟骨基質分子との結合能について検討した。また、組織脆弱化に伴う軟骨細胞異化反応に対する抑制因子の検討を行った。さらに、過度の機械的刺激の影響についても検討した。 実験1では、SZPの機能解析を行った。ブタ下顎頭の線維層由来線維芽細胞(MSF)、軟骨層由来軟骨細胞(MAC)を単離、培養した。精製SZPで処理/非処理のMSFおよびMACにそれぞれIL-1βを作用させ、MMPs発現に対する遺伝子解析、培養上清中の各蛋白レベルおよび酵素活性の検討を行った。その結果、IL-1β添加により、MMP-1,3,13レベルの亢進が認められたが、MSFにおいてより顕著であった。また、精製SZPで処理/非処理のブタ下顎頭軟骨組織片の表面性状の変化を検討したところ、SZP処理による摩擦係数の低下が認められた。 実験2では、組織脆弱化に伴う軟骨細胞異化反応に対する抑制因子の検討を行った。MACにおけるヒアルロニダーゼ(HAase)処置により、SZPレベルが低下した。さらに、高分子ヒアルロン酸によるSZP低下の抑制効果が認められた。 実験3では、軟骨代謝に対する軟骨下骨への過度の機械的刺激の影響についての検討を行った。Flexer plate上に軟骨下骨由来骨芽細胞(MSBO)を単層培養し、Flexercell Strain Unitを用いてMSBOに過度の機械的負荷を加え、さらにMACと共培養した。その結果、MACの軟骨基質産生の低下が認められた。 以上の結果から、下顎頭軟骨各層の役割や代謝は異なっており、機械的負荷に対する反応も様々であることから、変形性顎関節症の治療においては、各層に応じた対応が必要と考えられた。本研究結果を元にした有効な顎関節OAの治療法の確立のための今後の研究の重要性が示唆された。
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[Presentation] Modulation of PRG4 expression by hyaluronan through CD44 receptor2010
Author(s)
Mitsuyoshi T., Kamiya T., Tanimoto K., Tanne Y.,Kunimatsu R., Yoshioka M.,Yu-Ching H.,Sano R., Matsuda Y., Yoshimi Y., Tanne K.
Organizer
The 88th International Association for Dental Research
Place of Presentation
Barcelona, Spain
Year and Date
20100714-20100717
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