2011 Fiscal Year Annual Research Report
bFGFによる口蓋裂術後瘢痕形成の制御に関する基礎的研究
Project/Area Number |
20390526
|
Research Institution | Fukuoka Dental College |
Principal Investigator |
石川 博之 福岡歯科大学, 歯学部, 教授 (20184492)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
沢 禎彦 福岡歯科大学, 歯学部, 教授 (70271666)
敦賀 英知 福岡歯科大学, 歯学部, 准教授 (30295901)
谷口 邦久 福岡歯科大学, 歯学部, 教授 (90105685)
秦 雄一郎 福岡歯科大学, 歯学部, 講師 (60465747)
|
Keywords | 口蓋裂 / 瘢痕組織 / bFGF / コラーゲン線維 / 弾性系線維 / アポトーシス / 筋線維芽細胞 |
Research Abstract |
今年度は、(1)bFGFによるコラーゲン線維の蓄積と歯列幅径に与える効果を学会発表した。また、(2)弾性系線維に対するbFGFの効果について論文として公表した。(3)前年度に行つたbFGFによる筋線維芽細胞のアポトーシスの促進効果の定量的評価は、知見をまとめて論文にしている。 (1)について、方法は20日齢のWistarラットを用い、対照群、瘢痕形成群、術直後bFGF投与群、Sham群、さらに、1週bFGF投与群を設定した。術後6週経過時に前頭断連続切片を作製し、切片はHE染色を行い画像計測ソフトで第一臼歯間距離計測を行った。また、抗コラーゲンタイプ1抗体で蛍光免疫染色を行った。その結果、術直後bFGF投与群は、第一臼歯間距離計測で、瘢痕形成群、Sham群および1週bFGF投与群と比較して大きな値を示し、対照群に近似していた。免疫染色では、粘膜下組織が瘢痕形成群、sham群および1週bFGF投与群と比較して弱く染色されていた。以上から、術直後のbFGF投与は、粘膜下組織におけるコラーゲンタイプ1の蓄積を阻止することで瘢痕形成を抑制し、歯列幅径の成長抑制を緩和する可能性が示唆された。 (2)について、方法は20日齢のWistarラットを用い、対照群、瘢痕形成群、bFGF投与群およびSham群の4群を設定した。術後6週経過時に前頭断連続切片を作製した。弾性系線維の構成成分である微細線維の標識として抗fibrillin抗体で蛍光免疫染色を行い、陽性反応の面積を定量評価した。その結果、口蓋粘膜骨膜剥離後に形成された瘢痕組織中に微細線維の陽性反応を認めた。その陽性反応の面積の定量評価では、瘢痕形成群とSham群は対照群と比較して有意に大きかった。bFGF投与群は対照群より大きい値を示したが、瘢痕形成群およびSham群と比較して有意に小さかった。以上から、bFGF投与は弾性系線維の形成を抑制する可能性が考えられた。
|
Research Products
(4 results)